花梨「わああ!きれー!!」
中庭に出ると、園芸部が育てた花が綺麗に咲き誇っていた。
恭也「ほんとだー!」
恭也くんと二人で花を撮りまくっていると、佐々木先輩が私を呼んだ。
裕也「かりんとう、」
花梨「はい?」
裕也「俺、さっき言ってたやつ決めたわ」
花梨「え、今ですか」
恭也「さっき言ってたやつって?」
花梨「恭也くんはいいから!」
下手したらもっと面倒になる。
そう感じた私はなんとか恭也くんを遠避けようとしたが、無駄だった。
裕也「こいつ部活サボったろ?だから一回だけ俺の言うことなんでも聞くって言う約束してたんだよ」
花梨「ちょっと、、」
恭也「えー!それ僕にも一回権利くださいよ!」
花梨「なんでよ~、」
裕也「いいぞ」
花梨「は!?」
恭也「やった~!何にしよっかな~♪」
花梨「まじで、、」
どうしよう、へんなお願いされたら。
恭也「よし!決めたっ!」
花梨「え、はや!」
裕也「じゃあ、俺から言っていいか?」
恭也「だめ!一緒に言お?」
花梨「なにその提案笑。」
恭也「いいんですよ!行くよ?せーのっ!」
裕也「俺と付き合え」
恭也「僕と付き合ってくれませんか?」
花梨「はい?」
いや、意味がわからない。
だって、あんなに意地悪な佐々木先輩と
東雲先輩のことが好きなはずの恭也くん。
裕也「誰が意地悪だよ」
恭也「僕、別に唯依ちゃんのこと好きじゃないし。」
花梨「ええ!」
本当に?二人が?私のこと?
裕也「命令って言ってたが、、まあこの場合お前に選ぶ権利があるな」
恭也「先輩、どっち?」
花梨「えっと...」
花梨「私が好きなのは、やっぱり
恭也くん」
花梨「だから、先輩、本当にごめんなさい」
裕也「るせ、知ってたよ。謝られるとか、いちばんカッコ悪いじゃねーか」
恭也「...はい!しんみりした話はそこまで!今は僕がハッピーなんだから!」
花梨「そうだね!じゃあ、これからよろしくね、恭也くん」
恭也「はい!」
───────────その後
佐々木先輩は東雲先輩と付き合うようになったらしい。
東雲先輩は、恭也くんに恋愛相談をしていたそうだ。
花梨「おまたせ」
恭也「大丈夫ですよ」
裕也「まだ唯依もきてねーしな」
今日はダブルデートの日。
唯依「ごめん~!待った?」
裕也「待った」
唯依「そーゆーときは、今来たとこ!って返すの!ばか!」
裕也「るせ。」
珍しく赤くなった佐々木先輩をみれたし
、ラッキーかな?
恭也「花梨、僕はゆうにいとは違うからね」
裕也「はあ?」
花梨「わかってる♡」
これからもっとたのしくなりそうな予感です!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。