第19話

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2020/03/24 03:00
目が覚めた。

夜だ。

私は、重たい腰をあげる。

あなた「鬼でも、疲れることってあるのね」

ちょっとやけになって笑う。
 
あなた「みんな、大丈夫かな」

炭治郎、善逸、伊之助、炎柱様。

そして、あの鬼の女の子。

あなた「帰ろう、」

私は、家に向かって歩きだす。


家についたのは、日が上る直前くらいだった。

鬼には幸い、会わずにすんだ。

あなた「あぁ、疲れた…」

まだ体中痛いのに、歩いたからか、

痛みが増した。

家に入り、寝室に入る。

布団が敷いてある。

あなた「…?」

しまって出たのに、気のせいだったか?

私は、着物を脱ぎ捨てる。

煉獄さんの日輪刀もその上におく。

あなた「起きたら、返しに行こ。」

私は、眠りについた。


??「…あなた! あなた 起きて…あなた」

あなた「んっ、」

目を覚ます。

カナエ「目が覚めた?大丈夫?あなた」

あなた「カナエ様、おはようございま…」

あれ、

あなた「ここは?」

家じゃない、

カナエ「何を言っているのですか、
    蝶屋敷です。」

あなた「な、なんで?」

私は、自分の家と人様のお家を間違えるほど

アフォになったのか?

カナエ「あなた、無限列車って覚えてますか?」

あなた「あぁ、はい、あっ、刀…」

カナエ「あのあと、あなた3日も行方不明だったのよ
    で、私がいつ帰ってきてもいいように
    お布団だけ敷いておいたの。」

あぁ、

あなた「ご迷惑をおかけして申し訳ありません、カナエ様」

謝らなきゃね。

カナエ「いいのよ、で、私が先日行ったら
    あなたが布団の上で死んだように寝てたの
    で、あなたが大怪我してたって
    男の子達が騒いでたから
    ここにつれてきて見てたってわけなの。
    でも、元気そうで何よりだよ」

あなた「なんか、お恥ずかしい…」

カナエ「あなた、3日もどこにいたの?」

あなた「森で寝てたみたいです」

カナエ様は信じられない

みたいな顔をなされる。

そりゃそうだけど

あなた「あっ、あの、カナエ様」

カナエ「どうしたの?あなた」

あなた「私の部屋に刀、日輪刀ありませんでしたか?」

カナエ様があっ、みたいな顔をする。

カナエ「あったような気がする」

あなた「では、ここには、ない、と?」

カナエ「ごめんね、置きっぱなしだわ」

まあ、家に取りに帰ればいいさ

あなた「あの、カナエ様、 
     れんご…炎柱様は?」

カナエ「あぁ、煉獄さん…」

あなた「えっ、」

カナエ様の顔が少し暗くなる。

嫌だ、 

いや、

イヤ

イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ

あなた「どこにおられますか?
     私、炎柱様に刀借りたままなんです、
     返さなきゃ」

私は、あえて、明るく聞いてみる。

カナエ「そうだったのですか、、
    隣の部屋に、いらっしゃいますよ」

その一言を聞いて安心する

あなた「良かった」

カナエ「ですが、」

あなた「えっ」

カナエ「意識が戻らないままなんです。」

私は開いた口が塞がらなかった。



その夜、私は、家に帰った。

結局、煉獄さんにも、炭治郎にも、善逸にも、

伊之助にも、禰豆子ちゃんにも、

会えなかった。

あなた「ただいま、」

誰もいない家に入る。

寝室へと向かう。

私があの日脱ぎ捨てた穴だらけの着物。

その上で輝く、煉獄さんの日輪刀

私は、その刀を丁寧に磨く。

そう言えば、鞘はないな、

私は、袖がなくて着れない古い着物で刀をくるむ。

あなた「明日、返しに行こう。」

私は、久しぶりの我が家で眠れぬ夜を過ごした。





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