第27話

25
1,072
2020/03/28 03:00
あなた「柱って走るの速いなぁ」

私は取り合えず無一郎くんについていく。

柱って全員 全集中 常中ってやつが使えるんだってね。

私にも、呼吸が使えればよかったのに……。

それがあるだけで体力も上がるらしい。

知らんけど。

まあ、そうでもしないと

この速さで走れないわね。

霞柱「別に、みんなが遅いだけ」

走りながら平然と答えてくる無一郎くん。

ぱねぇ(語彙力崩壊)

霞柱「そういう君もついてきてるじゃん」

あなた「まあ、これくらいはね
     できますよ、私にだって。」

私は鬼なんですよ。

夜なら無敵ですよ。

体力お化けなんですよ。

あと、私は純粋に足が速い。

頑張れば無一郎くん抜けるかな?

まあ、ついていくだけにしとくけど

で、さっきから気になってることを聞く。

あなた「どこ行くんですか?」

霞柱「あっちの方。」

あなた「わかりました、付いていきます。」

どこ行くのかさっぱりわからないんだが。

別にいいけど。

しばらく走る。

霞柱「……鬼」

あなた「南西ですかね?3びきくらいかな?」

霞柱「そうだね」

なんか、鬼の気配を感じる。

鬼殺隊も強い人ほど鬼の気配を確実に感じるらしい。

知らんけど(本日2回目)。

私も感じるよ。

気持ちの悪い鬼の気配。

道が二つに分かれてた。

霞柱「じゃあ、君そつちの道ね」

あなた「わかりました、お気をつけて」

私は指示された通り右の道へ行く。

道端に赤い花が咲いてる。

綺麗だけど、そんなこと言ってられない。

どうでもいい。

あなた「鬼、どこよ、」

近くにいるのはわかる。

でも、いないのよ。

その時

子供「きゃぁぁぁぁ」

あなた「子どもっ?」

子どもの声がした。

私はそっちに向かって走る。

足場が悪い。

いつのまにか道を外れていた。

草が、木が、石が、私の行く手を阻む。

あなた「木が邪魔。」

地面を走るのをやめる。

木の上に飛び乗る。

木から木へと移る。

いた。見つけた。

子ども「いやぁぁ、来ないでぇぇぇ」

鬼「なんだよぉ、餓鬼かよぉ、
  今日は、ついてねぇなぁ、」

あなた「見ぃつけた。」

鬼「おぉ、女だぁ
  女がいらぁ」

子ども「お姉さん!助けてぇ!」

子どもが3人。

鬼は雑魚。

私は子供たちを背に木から降り立つ。

あなた「しゃがんでてね。」

私は腰にさしている刀を手に取る。

あなた「あれ、これ血刀」

日輪刀じゃなかったー。

間違えたぁ、

仕方ない。

私は諦めて血刀を握る。

あなた「人を襲っちゃダメよ。鬼さん」

私は鬼に飛びかかる。

鬼の腕を切り落とす。

その時鬼の後ろに回る。

鬼「お、おまっ、」

鬼だと気付かれたかな?

別に構わない。

鬼が戸惑ってる、これはチャンスよ。

私は間髪いれずに飛びかかる。

刀を鬼の頚に突き立てる。

『血鬼術 鬼斬光』

鬼の首が光る。

鬼「なっ、なんだ、と…」

鬼の頚から上が光に包まれて消える。

鬼の体が落ちてくる。

あなた「子どもっ、」

私は鬼の背中から飛び降りる。

子どもを3人、

2人を抱えて、もう1人を帯を持ち上げて

鬼の体に潰されないように連れて逃げる。

鬼の体が、塵になって消えていった。

切れた、

鬼の頚を切れた!

あなた「やった、」

子ども1「お、お姉さん、ありがとう」

あっ、子ども達忘れてた。

あなた「ごめんね、怖かったね
     怪我はない?」

子ども1「私は大丈夫だけど…」

子ども2「………」

子ども3「痛い、いたぁーい」

一番大きい子はわりとしっかり答えてくれる。

真ん中の子は黙り決め込んでいる。

一番小さい子は泣きわめくばかり。

あなた「大丈夫だよ」

私は3人の頭を順番に撫でる。

見ると一番小さい子は手に怪我をしていた。

かすり傷のようだけど。

あなた「ほら、見てごらん?」

私は手を一度閉じる。

『血鬼術 回蝶』

そしてゆっくり開く。

手から真っ赤な蝶が1ぴき出る。

その蝶がその子の手の怪我にとまる。

子ども3「!?蝶々、蝶々!」

小さい子は大喜び。

傷は一瞬で綺麗になった。

あなた「ほらね?もう大丈夫ね?」

子ども3「うん!」

この子はもう大丈夫。でも、

あなた「またか、」

私は刀を握る。

あなた「みんなここで待っててね
     これ持ってて」

私は藤の花の香り袋を渡す。

あなた「さあ、かかってこい。」

私は鬼の方を向く。

2匹出た。

鬼「女と子どもかぁ」

鬼「なんか、不味そうだなぁ、」

あなた(イラッ)

『闇の呼吸 陸の型 闇色一波』

刀を振るう。

刀から闇の波が出る。

その波を浴びた鬼の体が溶け出す。

鬼「なっ、なんだ、これはぁ、」

鬼「け、血鬼術ぅ?」

あなた「教えなぁい」

私は1匹に飛びかかる。

鬼の頚であったであろう部分に血刀をさす。

『闇の呼吸 捌の型 鬼斬光』

鬼の頚が光り、完全に溶ける。

鬼の体が少しずつ塵になっていく。

あなた「さあ、次はa…」

『霞ノ呼吸 弐ノ型 八重霞』

もう1匹の鬼の頚が落ちた。

あなた「あっ、霞柱様」

霞柱「効率悪い」

あなた「その通りですな」

ハハハッと笑って見せる。

あなた「ありがとうございます霞柱様」

霞柱「鬼の頚、切れたんだね」

あなた「産まれて初めて切れました」

これは事実。

霞柱「もう夜があけるよ」

あなた「えっ、嘘やだヤバい」

私は着物の袖から手拭いを出して頭にかける。

霞柱「なにそれ」

あなた「日光が苦手なもので。」

早く帰らなきゃね。

あなた「あっ、ちびちゃん達」

子ども達が3人、手を繋いで駆けてきた。

子ども1「お姉さん、お兄さん、ありがとう」

あなた「いいんだよ、頑張ったね」

私は3人を抱き締める。 

子ども1「私 月影雪乃です。
     弟の晴彦と、
     こっちが空です。」

あなた「3人とも可愛い名前なのね
     無事で良かった」

霞柱「家どこ」

ちょ、怖いぞ霞柱 時透無一郎殿。

早く帰らせてあげたいのはわかるが。

雪乃「お家、この山の上…」

あなた「わかった!行こ!」

なんか3人とも浮かない顔をしている。

でも山の上に向かって歩く。

私は空ちゃんを抱っこして。

無一郎くんが雪乃ちゃんと晴彦くんと

手を繋いでる。

なんか、お父さんみたいでぐっときた。



山の上に着いた。

のだが、

空「お家あそこ!」

空ちゃんが指を指す。

あなた「あそこね、わかったわ」

私は家の扉を叩く。

女の人「はぁい」

あなた「こんにちはー」

扉が開いて、女の人が出てくる。

あなた「あの、この子達のおかあs…」

空「おかあs…」

女の人「なんで帰ってきたのよ!
    みんな出ていけ!
    2度とその汚い面見せるな!」

あなた「えっ、」

その女の人は私たちにむかって

鍋だの皿だの投げてきた。

私たちは慌てて家を離れた。

空「うわぁぁぁぁぁん、おかぁさぁぁぁぁぁん」

空ちゃんは泣きわめいてる。

あなた「何があったの?」

雪乃「あのね、お父さんが帰ってこなくなったの…
   それを私たちのせいだって…
   私たちなんか鬼に食われちゃえばいいって…」

あなた「そうだったの、ごめんね、」

私は雪乃ちゃんの頭を撫でる。

晴彦くんは唇を噛み締めて俯いてる。

空ちゃんは大号泣。

あなた「あそこには、帰せないね…」

あなた「他にどこか行くところはある?
     おばあちゃんのお家とか。
     どこまででも送ってあげるよ」

雪乃「…ない、と思う…」

なるほど。詰んだぞ。

あなた「どうしますか、この子達。霞柱様。」

霞柱「……」

あなた「霞柱様?」

霞柱「…いらないよ」

あなた「誰もあげるなんて言ってません。」

あなた「んー、どうしようかなぁ…」

あなた「みんな、お手伝いちゃんとできる?」

雪乃「私、ご飯炊けるよ!
   お風呂も沸かせるもん!
   お掃除もできるよ!」

晴彦「…洗濯できる。」

空「空ちゃんね、薪拾える!」

あなた「じゃあ、うち来る?」

雪乃「いいの!?」

あなた「おいでおいで
     私の家の掃除してくれるならね?」

霞柱「……」

あなた「じゃあ、この子達もらっていいですかね?」

霞柱「バカじゃないの?」

あなた「、私ですか?」

霞柱「無計画。」

あなた「人生なんて行き当たりばったりです
     何があるかわからないから
     人生は楽しいんです。ねぇ?」

雪乃・晴彦・雨「?」

あなた「まあ、いいや」

あなた「では失礼します」

霞柱「待ちなよバカ」

あなた「お断りでーす! 走れー!」

私は雨ちゃんを抱っこ。

雪乃ちゃんと晴彦くんは二人で手を繋いでもらって

私は晴彦くんと手を繋ぐ。

本気出したら3人が死んじゃうかもしれないので

ゆっくり走ります。

霞柱「頭おかしいんじゃないの君」

追い付くのはやっ。

あなた「私も貰われっ子なので。
     この子達の気持ちはわかります。」

あなた「この子達が一人で生きていけるように
     してあげるだけですから。」

霞柱「…バカ。」

あなた「それでは、また明日。」

私は無一郎くんを追い払うように走る。




あなた「それでは、また今夜。」

霞柱「うん」

結局家まで送られた。

あなた「さあ、ここが今日からみんなのお家よ!」

雪乃「お世話になります。」

躾のしっかりされた子だ。

あなた「じゃあ、改めて、ね。」

私は居間に3人を通す。

お茶と買い置きの大福を出す。

あなた「東堂あなたです。
     今日からよろしくね!」

雪乃「月影雪乃 12歳です!
   ご飯作るの得意です!」

晴彦「…月影晴彦 8歳」

空「月影そらですっ!3歳です!」

あなた「よし、雪乃、晴彦、空、
     よろしく。」

あなた「じゃあ、3人の部屋を用意するわね。
     さっそくなんだけど雪乃、
     お布団干してくれる?」

雪乃「はい!」

雪乃に3人分の布団を干してもらう。

晴彦と空には部屋を決めてもらった。

3人で過ごせる一番広い部屋だった。

あなた「じゃあ!買い物に行こう!」

私は雪乃と晴彦と空を連れて街へかいものに行った。

買い物は1日かかってしまった。

3人の着物や玩具。

本とかも買ってあげた。

夜ご飯は街のお店で食べた。

3人とも、すごくよく食べる。

私の財布が危うい。

別に構わないんだけどね。

楽しいし。


家に帰った。

3人をお風呂に入れる。

あなた「じゃあ、私はお仕事があるから

     良い子にしててね?
     外で焚いてるお香は消しちゃダメよ?」

雪乃「はい!いってらっしゃい!」

空「いってらっしゃぁい!」

あなた「帰るの遅くなるかもしれないから
     お腹すいたら朝ごはん先食べてね
     じゃあ、行ってきます!」

雪乃・空「いってらっしゃい!」

私は見送られて外に出る。

もう月が出てる。

もうすぐ、満月…

霞柱「…遅い」

あなた「迎えに来てくださったんですか?
     ありがとうございます」

霞柱「はやく行くよ」

あなた「はい!」

私は今夜も無一郎くんと見回りに出る。

プリ小説オーディオドラマ