第30話

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2020/03/29 15:00
あなた「始めてこんなに話しました」

私は、禰豆子ちゃんを撫で撫でしながら話を終えた。

あなた「聞いてくれてありがとう」

あなた「みんな?」

慌ててみんなの顔を見る。

みんな俯いちゃってるし顔が見れない。

あなた「ごめんなさい、面白くなくて…」

私の頭にぽんと手が置かれた。

あなた「竈門くん?」

炭治郎「頑張ったんだな、あなた」

炭治郎が頭を撫でてくれる。

久しぶり…

善逸「うえぇぇぇぇん、あなたぢゃぁぁぁん」

善逸が腕に抱きついてきた。べつにいいけど。

伊之助「…コレ」

伊之助がツヤツヤのどんぐりをくれた。

あなた「ありがとう、嘴平くん」

ちょっと嬉しかった。

桃「あなた-,夜ガ明ケルゾ!」

あなた「えっ、嫌だ、大変」

私は、桃の言葉に慌てて立ち上がる。

炭治郎「ふ、ふくろう?」

あなた「そうなの、私の鎹ふくろう?なの」

炭治郎「烏じゃなくて?」

善逸「俺もね、雀なの、変だよね」

あなた「最初は烏だったのよ
     でも、私が鬼だと知ったとたん逃げちゃって
     もう4年帰ってきてないわね
     他の人の烏にでもなってるんじゃないかな?」

炭治郎「逃げることなんてあるんだ」

あなた「私だけでしょうね
     じゃあ、私帰るわね、またね!」

炭治郎「あぁ、また!」

善逸「ばいばい!あなたちゃん」

伊之助「次会ったら俺様と勝負しろ!」

あなた「はーい!じゃあね!ありがとー!」

私は、桃と山を駆けていく。

桃「人ノ友達カ?」

あなた「うん、いい人たちだよ」

桃「ソウカ,良カッタナ」

あなた「本当に」

私と桃は家路を急いだ。


※ここから先気持ち無一郎くんがポンコツになります。

※ここから先気持ち無一郎くんがポンコツになります。

※ここから先気持ち無一郎くんがポンコツになります。

無一郎くんがポンコツ訳がない

駄作者(ピー)ね 

という気持ちはぐっとお堪えください。














私が家に帰るといつも通り雪乃が出迎えてくれた。

そのあと雪乃が作ってくれた朝食をとり、

晴彦が沸かしてくれたお風呂へ。

そのあと雪乃と晴彦に読み書きを教えた。

私も、ちょっとしかできないけど…

あと、空と藤の香りのお香を作った。

鬼って本来藤の花がダメらしい。

だから、藤の香りのお香は鬼を寄せないのに

効果的らしい。

私は、平気だけど。なんでかな?

そして3人とお昼を食べに出掛けた。

家に帰ってからはお昼寝(私がしたかったから)。

そして夜ご飯をね、

たまには作ってあげようと

ふろふき大根を作ってあげました。

とっても喜んでくれました。

そして私は今夜も家に、

3人を守ってくれるお香を焚いて、

夜の見回りに出掛ける。

今日が、無一郎くんとの最後の任務。

ちょっと寂しいけど…。

あなた「じゃあ、行ってくるね」

雪乃「行ってらっしゃい、早く帰ってきてね?」

あなた「もちろん!じゃあね?」

私は家を出る。

腰には、2本の刀。

1本は私の日輪刀、もう1本は血刀。

日輪刀は真っ白なのに、血刀は真っ赤。

紅白でめでたい感じだね。

あなた「お待たせしました、霞柱様。
     今日もよろしくお願いします」

霞柱「…うん」

霞柱様は挨拶もそこそこにスタスタ行ってしまう。

今日は町の外れにちょっと強い鬼が出るらしい。

なので、2人で行ってほしいということらしい。

足引っ張らないようにしないとね。



町の外れに来た。

嫌な感じ。

鬼の気配が見える。

南南西、1里くらい?

少しだけ、2人で歩く。

霞柱「あそこ」

あなた「あそこ?」

無一郎くんの視線の先には古いお堂があった。

絶対なんかおるやろな。

あなた「行きますか?」

霞柱「……」

私の質問には答えてくださらなかった。

そんなわかりきったことを聞くな。

そんな感じだと思う。


お堂の前まで来た。

中からは鬼の気配。

まあまあ強そうなやつ。

霞柱「開ける」

あなた「はい」

霞柱様が扉を開ける。

中には鬼の気配だけ。

霞柱・あなた「上/上?」

上に2匹鬼がいた。

男っぽい鬼と、女っぽい鬼。

男鬼「へぇー可愛い女の子ぢぁん」

女鬼「私は男前な男しか食べないのにィ
   女しかいないの?」

こいつら、無一郎くんのこと女の子だと思ってる?

女鬼「待ってあんた男?」

霞柱「…そう」

女鬼「嫌だ、私あの子貰うから!」

女の鬼が無一郎くん目掛けて突っ込む。

男「じゃあ、俺こっちね」

男の鬼が私に向かって血鬼術を放つ。

『闇の呼吸 壱の型 山裂光』

血刀で受ける。

血鬼術を血刀が吸収してしまう。

男鬼「ほぉ、おもしれぇ奴だな」

あなた「かかって来いやぁ!」

無一郎くんは出ていったらしい。 

狭いお堂の中じゃ戦いにくいし、仕方ない。

男鬼「精々楽しませてくれよ」

鬼が飛びかかってくる。

避けるなきゃ。

グサッ、

あなた「はやっ」

右の脇腹引っ掛かれた。

いや、引っ掻かせた。

男鬼「なんだ、お前、弱いじゃないかぁ」

油断したな、

『闇の呼吸 肆の型 暗魂一撃』

鬼の体を肩から足まで切り込む。

2本刀を使うから×字に切れる。

男鬼「なっ、お前、血鬼じゅっ…」

答える価値のない質問だろうね。

無視でいい。

『血鬼術 闇溶』

一瞬闇に溶ける。私は鬼の視界から消える。

男鬼「ど、どこにっ!?」

そのすきに私は、鬼の背中に回る。

『闇の呼吸 捌の型 鬼裂光』

鬼の頚に血刀を刺す。

日輪刀じゃ、血鬼術は使えないと思う。

男鬼「あっ、あぁぁぁ…」

頚が溶ける。

あなた「最後に聞くね?
     貴方は本体じゃないね」

男鬼「俺はぁ、あいつに、操られてるだけだ…
   女の方が弱いからそっちを食えって…」

あなた「そう、ありがとう
     もう鬼にならないようにね」

私はその鬼が完全に塵になるまで待った。

私の脇腹はもう平気。

でも、着物がボロボロで恥ずかしい…。

あなた「行かなきゃ。」

私は塵になった鬼に

あなた「さよなら」

私は刀を2本、強く握って無一郎くんの元へ向かった。




お堂を出る。

あなた「無一郎くんっ…裏か」

お堂の裏から気配を感じる。

私はお堂の屋根の上に飛び乗る。

こっちの方が早そうだし。

急いで下を見下ろす。

女の鬼と、無一郎くんが向き合ってる。

肩斬れてね?大丈夫かあれ?

『血鬼術 深泉の調』

『霞ノ呼吸 参ノ型 霞散の飛沫』

さすが柱。かっけー、

じゃあ、なかった。お供しましょ。

『闇の呼吸 壱の型 山裂光』

血鬼術を斬りながら無一郎くんの横に降り立つ。

あなた「大丈夫?」

あなた「えっ?」

返事がない。

慌てて無一郎くんの顔を見る。

いつも以上に目が虚ろなんですけど。

焦点合ってないよ?

そのままふらっと倒れそうになってた。

あなた「ちょ、待って、待って、」

とっさに左手で支える。

できればゆっくり下ろしてあげたかったのに

ドサッと音を立てて転がる。

なんかごめん、

女鬼「あれれ?あいつ倒しちゃったの?」

あなた「お前が本体でしょ?」

女鬼「本体だなんて可愛くないわ、
   私はね、繭羅っていうの
   その子は私の物よ」

あなた「習字で苦労しそうな名前ね。」

繭羅「はぁぁぁ?」

あなた「こっちの話よ。」

『闇の呼吸 参ノ型 雪華乱舞』

血刀を振るう。

血刀から血が飛び散る。

それが雪の華になって繭羅に向かっていく、

お願い、凍って…

しかし、

『血鬼術 永眠水華』

弾かれた、

それどころか攻撃食らわしてくる。

あなた「いやっ、」

思わず後ろに下がりたくなった。

いや、下がっちゃダメよ!

私は足を一歩踏み出す。

無一郎くんを庇うように

あなた「いったぁ、」

胸のところにもろ食らった。

ざっくり切れちゃってる。

危なく無一郎くんの上に座り込む所だった。

胸を割かれて着物がみっともない。

が、今気にするべきはそこじゃない。

私はぐっと耐えて体制を立て直す。

繭羅「なんでっ!?血鬼術にかからないの!?」

あなた「…今のただの攻撃じゃないの?」

繭羅「違うわよ!
   それ食らったらもう目が覚めないはずなのに!」

あなた「で、静かになったところを食うと?」

繭羅「そうよ、騒がれるのは嫌いなの」

あなた「どうでもいいわ」

どうしよう、

意識のない人間を守るって難しい。

あなた「起きろ!霞柱!」

顔も見れないけど、一応背中に叫ぶ。

反応がない、

繭羅「ねえ、取引しない?」

あなた「どんな?」

繭羅「その人間くれたら
   あんただけは助けてあげるわ
   女は食わないからいいよ」 

あなた「それはいい取引ね」

あなた「お断り」

私は自分の後ろに血刀を下げる。

そして無一郎の前の地面に突き立てる。

日輪刀でも、できるだろうか、

『闇の呼吸 伍の型 氷雪電撃』

繭羅に突っ込む。

繭羅「はぁ、意味わかんない!
    勝ち目ないんだから諦めなさいよ!
   女の癖に!弱いくせn…」

繭羅の右腕が飛んでいく。

そのまま上に飛び上がり、繭羅の背後にたつ。

繭羅「もう怒ったから!」

繭羅は無一郎の方へ行ってしまう。

そんなの想定内よ。

『血鬼術 守血炎』

繭羅「ぎぁぁぁ!」

私の血刀が燃え上がる。

繭羅から無一郎を守るように。

大丈夫。無一郎には当たらないよ、あの火は。

あなた「あんたの敵は私」

『闇の呼吸 捌の型 鬼裂光』

私は切りかかろうとした。

繭羅「むきー!許さないんだからっ!」

ガシッ

あなた「あっ、、」

繭羅は自分の頭から簪をとった。

そして目にも見えないスピードで私を切りつけた。

繭羅が頭に付けていた簪で切られた。

右腕を。

肩からざっくりと。

腕が取れた。

やり返されたようだ。

腕も袖も日輪刀も持っていかれる。

私はイラっとした。

あなた「許さない…」

私は体の奥底から何か熱いものが沸き上がってきた、

ような気がした。

繭羅「コレであんたに勝ち目はなっ、お、鬼!?」

ああ、私は鬼になったのか。

そっちの方がいい。強くなるし。

『血鬼術 闇溶』

闇に溶ける。

暗ければ暗いほどやり易いのよこの技は。

繭羅「なっ、」

グサッ、

私は左手の爪を繭羅の頚に突き刺す

『闇の呼吸 捌の型 鬼裂光』

繭羅「いやぁ!」

繭羅の頚が光って溶けていく。

私の体は静かに人に戻った。

繭羅「なんでなんでなんでなんでなんで…」

あなた「弱かったね?」

繭羅「も、もう許さないんだか、ら」

あなた「ばいばい」

繭羅「嫌だ、しにたくないしにたくない…」

あなた「…次は幸せになってね」

繭羅「……」

繭羅は何も言わなかったけど

静かに塵になって溶けていった。

あなた「さてと、」

私は右手があった部分に力を込める。

肩からニョキニョキ腕が生えてきた。

軽くその腕をふると、手はあっという間に回復。

前に胸も切られてたけど、それももうなんにもない。

ただ、帯も横腹も胸のところも割けてるし、

右の袖ながないのでなんともみっともない。

が、今は着物よりも無一郎が気になる。

私は無一郎の元へ駆け寄る。

私は無一郎を抱き起こして座らせた。

血鬼術が当たって意識を持っていかれたのかな?

てか、無一郎に当たるって鬼強いな(運が)。

私は無一郎の顔を覗きこむ。

あなた「大丈夫ですか?」

霞柱「……?」

なんか、虚ろだけど目は空いてるね。

自力で座れてるし。

そういえば、お堂の下の方から人の気配がする。

わずかながら日輪刀の気配も。
私は懐から藤の花の香り袋を取り出す、

ちょっと穴空いてるけど気にしない気にしない。

私は彼の手に藤の花の香り袋を握らせる。

あなた「少し待っててくださいね」

私は少し無一郎から離れる。

無一郎が見てないことを確認してから

私は自分の飛んでいった腕を拾い上げる。

腕はもういい。

着物の袖と日輪刀を回収する。

腕はどうせすぐ塵になるだろうし。

私は草原に投げ捨てる。

すでに塵になりだしてるからいいよね?

そしてそのままお堂の下へ。

隊士と町の人が数人いた。

死体もあるけど…。

生きてる人はみんなぼんやりぐったりしているけど平気そう。

怪我している人が多いので

『血鬼術 回蝶』

自分の手を引っ掻いて回蝶を作る。

みんな傷は塞がったかな?

すぐに隠を呼ばなきゃ。

そういえば、無一郎のこと忘れてた。

私はまた外に出る。

あなた「桃ー!」

桃「隠カ?」

一瞬で飛んできてくれる。

あなた「そう、よろしく」

桃「スグ呼ンデ来ル,」

桃が飛んでいく。

私はすっかり忘れてた無一郎のところへ行く。

あなた「霞ばっ…」

無一郎は私の血刀を眺めてた。

さっき燃えちゃったからか少し小さくなってる。

霞柱「……」

あなた「大丈夫ですか?」

肩を切られているようです。

あなた「あっ、」

彼の肩にも私の回蝶が止まっていた。

あなた「あ、あの怪我は…?」

霞柱「君、鬼なの?」

あなた「えっ、何でですか?」

霞柱「…腕」

あなた「腕?この通りです」

私は完全に回復している腕を出す。

霞柱「さっき、切られてたよね?」

あなた「まっさか~」

霞柱「じゃあ、何で袖がないの?
   袖だけそんな綺麗にきれることなんてある?」

あなた「あは、あはははは…」

誤魔化せてるか?これ?

隠「霞柱様!東堂様!」

隠、ナイスタイミング!

あなた「お堂の下にたくさん人がいます
     お願いします。」

隠「はい!かしこまりました」

あなた「あと、この人も」

私は無一郎を差す。

あなた「一応ね」

霞柱「君は?」

隠「東堂様は?」

あなた「私は着物変えたいので帰ります
     また明日」

私はさっと血刀を引ったくる。

そして私は全速力で走って逃げる。

なんか、顔が熱い。





家に帰れた。

見られた、

見られた、

無一郎に見られた、

鬼だとばれた、

絶対ばれた、

嫌だ、

嫌だ、

嫌だ、

嫌だ、

鬼殺隊を追い出される?

頚切られる?

怖い。

あなた「うぅ、」

でも。

あなた「行かなきゃ…」

私はお風呂に入る。

着物も、綺麗なのに変えた。

雪乃の用意してくれた朝御飯を食べて、

あなた「行こう、」

蝶屋敷へ行く。

無一郎に会いに。










蝶屋敷

あなた「こんにちは…」

私はいつも通り大量のお菓子を抱えて蝶屋敷へ来た。

アオイ「あなた!?大丈夫なの?」

あなた「えっ?」

アオイ「今朝、一緒に任務だった時透さんはいらしたのに
    あなたは全速力で走って
    帰っていったって聞いたから
    少し心配してたんです」

あなた「あぁ、ごめんね、はいこれお土産」

アオイ「時透さんの部屋まで案内しましょうか?」

あなた「なんで、会いに来たってわかったの?」

アオイ「顔にそう書いてあるからです」

あなた「ありがとうアオイ。大好き」


コンコン

あなた「し、失礼します」

無一郎「……」

あなた「か、霞柱様……?」

無一郎「……何しに来たの?」

あなた「お、お見舞い…?」

無一郎「頼んでないのに?」

あなた「は、はい…」

無一郎「ふぅん…」

あなた「あの、帰りますから…」

無一郎「いや、いいよ、」

あなた「えっ?」

無一郎「そこに、いても」

あなた「あ、ありがとうございます…」

私は病室に入る。

でも、近づけない。

あなた「お怪我は…?」

無一郎「右肩切っただけ。」

あなた「そ、そうですか、」


そこから無言。

あなた「あの、これどうぞ、」

私は大好きな大福をお見舞いとして渡す。

あなた「では、私は失礼しますっ…」

受け取ってくれたかどうかもよくわからないが、

私はとにかく走って逃げた。

もう無一郎との任務は終わりなのに。

何もできなかったな…。

アハハ、と乾いた笑いしか出ない。

あなた「今夜は早く帰って寝よう」

私は可愛い3人の天使が待つ我が家へと向かった。

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