第23話

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2020/03/26 08:33
あなた「はぁ、いい朝…」

起こしてくれる人がいないので、朝起きられない。

あなた「よいしょ、」

なんとか重たい体をあげる。


朝起きて朝御飯が用意されてるって幸せだったな、

ってつくづく思う。

自分でご飯炊くのも面倒くさい。

炊くけど。

ご飯炊いて、

味噌汁作って、

卵は、面倒だから卵かけにしよう。

どんどん朝御飯が適当になる。

朝ご飯を炊くのも面倒だし、

汁作るのも面倒なのだが、

そのまま夜ご飯に回すと夜手間取らないぞ!

で、朝御飯を済ます。


最近買った新しい着物に袖を通す。

黒字に桃色の花が描かれ、

綺麗な蝶の刺繍がある。

そこに、いつもの羽織を羽織る。

これで準備万端。

あなた「行ってきまーす」

誰がいるわけでもない家に向かって言う。

真っ黒な日傘をさして、ある人のもとへ向かう。



トントン

あなた「こんにちは」

お洒落な洋館の扉を叩く。

愈史郎「またお前か 珠世様に何のようだ。」

全く愛想のない少年、愈史郎が出てきた。

あなた「あなたはもう少し愛想というもの
     を身に付けたら?
     あとこれお土産」

私は愈史郎にお土産のかすてらを渡す。

あなた「珠世様は?」

愈史郎「奥だ」

あなた「ありがとうね」

私は珠世様がいる、奥の部屋へ向かう。


あなた「珠世様、あなたです。」

扉の前で呼び掛ける。

珠世「どうぞ」

あなた「失礼します。」

私は珠世様の部屋に入る。

相変わらずお綺麗な方だ。

珠世「また怪我を?」

あなた「えへへw
     鬼の腕にお腹貫かれたくらいです」

笑って言えるレベルの怪我ではない。

人間ならね。

珠世「一応見てみましょう」

あなた「お願いします」

私は着物の前を開ける。

もう傷痕1つ残っていない。

珠世様が私のお腹に手を当てる。

暫く撫でたりしていたが、

珠世「特に異常はなさそうですね、」

あなた「あー、よかった!」

私は着物を着直す。

普通の怪我なら蝶屋敷に行けばいいのだが、

なんせ回復力は鬼と大差ない。

怪我をして蝶屋敷に着く頃には

完全に傷なんて治ってる。

それに、鬼の体のことなんて

人にはほぼほぼわからないだろうしね。

だから、

私は大怪我をしたときには

一応珠世様に見てもらっているのだ。

珠世「最近何か変わったことはありましたか?」

どうぞ、と珠世様に椅子を勧められる。

あなた「ありがとうございます
     特にこれと言っては…」

珠世「何かあったのですか?」

あなた「日輪刀、握れた…」

珠世「日輪刀を?」

私はこれまで、

日輪刀を握ると

腕が震えて震えて 脚が震えて震えて

汗が吹き出して動けなくなっていた。

理由は全くわからなかった。

あなた「他の方の刀でしたけど
     握って鬼に斬りかかるくらいは出来ました」

珠世「そうですか」

珠世様は何か考えていらした。

珠世「で、ご自分の日輪刀は?」

あなた「あっ、忘れてた、」

私は羽織を脱ぐ。

私は常に背中に自分の日輪刀を隠している。

使えないのに。

理由はない。 

あなた「色変われぇ…」

スッ、と抜く。

あなた「あぁ、」

珠世「あらあら」
 
私の日輪刀が綺麗な白になっていた。

ついこの間までただの鉄だったのに、

あなた「綺麗…」

私は日輪刀を見つめる。

はじめて、色が変わった。

こんなことってある?

愈史郎「おい、醜女。」

あなた「愈史郎」

愈史郎「それを今すぐしまえ、
    従わないのならお前をこr…」

あなた「しまう!しまうから!」

私は慌てて鞘に刀をしまう。

そのまま背中に戻す。

帰ったらお館様に報告しよう。

あなた「ごめんね、愈史郎」

バンッ,

あなた「おぅ、」

少々乱雑にお茶を置いてくれた。

愈史郎「どうぞ、珠世様も。」

珠世「ありがとう」

なんか、ちょっと喜んでる愈史郎可愛い。

あなた「あー、美味しい」

愈史郎の淹れてくれたお茶美味しい。

さてと、そろそろ言わないとね。

あなた「珠世様」

珠世「どうなさいましたか?」

あなた「私、また新しい血鬼術が
     使えるようになったんです。」

珠世「またですか」

あなた「はい!
     なんか、「守らなきゃ!」って    なったときに出来たんですよ。
     体がくって、固くなるような。
     体の血が固まってるんだと思います。 
     回蝶も精度が上がりましたし、
     人にも影響は特にないみたいです。」

珠世「そうですか、しかし無理はしないでくださいね、」

あなた「はい、わかってます」

私はお茶を啜る。

あなた「あの、例のものは…?」

珠世「出来ましたよ」

珠世様は立ち上がり、

近くの棚から小瓶を出してくれた。

あなた「これが、増血剤…」

液体のまずそうな薬。

私の血鬼術は血をたくさん使う。

だから血鬼術を使いすぎると血はなくなる。

血がなくなったら、私は何の役にもたたない、

だから、こうして珠世様にきつい増血剤を

作ってもらったのだ。

珠世「異常が出たらすぐに使うのをやめてください。
   かなり協力なので人に飲ませてはなりません。
   あと、貴女であっても限度は1日1本です。」

あなた「ありがとうございます珠世様」

私は珠世様から、10本ほど小瓶を受けとる。

あなた「じゃあ、今日もお願いします」

 

私は珠世様に採血してもらった。

ここに来る度してもらってる。

私の血は、鬼の血でも人の血でもないらしい。

じゃあ一体なんなのか、ということで

珠世様に調べていただいているのだ。

どうして人を食わない私が血鬼術を使えるのか、

わからないことが多い。

あなた「あぁ…」

今日も結構血を抜いてもらった。

私は回復を待つため

布団で横になる。

増血剤飲めば良いのにって?

今日はやめとく。

増血剤は最終手段、貴重なの。

あなた「ねえ、珠世様」

珠世「どうしましたかあなたさん」

あなた「禰豆子ちゃんって鬼の女の子知ってますか?」

珠世「禰豆子さんですか
   あの鬼殺隊の男の子と一緒にいる?」

あなた「そうですそうです」

私は珠世様から禰豆子ちゃんの話を聞いた。

あなた「あの子も人を食わないのですね!」

私は仲間を見つけたみたいでちょっと嬉しい

あなた「また話に行こっと」

私はゆっくり起き上がる。

もう大丈夫。元に戻った。

あなた「では、今日はこの辺で失礼します」

珠世「お気をつけて」

あなた「ありがとうございました珠世様
     また来月来ます」

あなた「じゃ、またね!愈史郎」

愈史郎「うるさい醜女。さっさと帰れ。」

なぜ私にだけこんなに冷たいんだよ愈史郎は、

私は愈史郎に追い出されるように

珠世様の洋館をあとにした。

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