第11話

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2020/03/21 14:00
あなた「た、ただいま…」

しまった、かなり遅くなった。

有一郎くんはもう寝たかな?

あんまり遅くなると怒らr…

有一郎「…お帰り」

あなた「た、ただただ、ただいまっ帰りました
     こちらお土産の大福であります」

私はソロソロと大福を差し出す。

彼は、まるで(仕方ないなぁ)とでも

言いたげな顔で受け取ってくれた。

有一郎「…お風呂、暖かい内に入りなよ」




あなた「はぁ、ご馳走さまでした!」

湯浴みを済ませ台所へ行くと、

私のお願いしたぶり大根を暖めている

可愛い可愛い有一郎くんがいた。

有一郎「僕もう食べちゃったから
     早く食べてね」

と言われたので、急いで、

めちゃめちゃしっかり味わって食べた。

あなた「本当に料理上手だね
     いいお嫁さんになるよ本当に」

有一郎「僕男なんだけど…」

あなた「細かいことはいいんだよ!w
     皿洗うくらいは自分でできるから
     君は早く寝なさい」

有一郎「…おやすみ」

あなた「おやすみ」

そのあと、私は皿を割って

その音で起きた有一郎くんにしこたま怒られましたとさ。








有一郎side

次の日の朝

今日もきっとあの人は起きないだろう。

いつものようにご飯を炊いて

味噌汁と卵焼きとふろふき大根を作って

あと、もらった海苔も出してみる。

さてと、あの人を起こしに行くか

布団叩きを片手に、あの人の部屋の襖を開ける

有一郎「おはよ…!?」

あなた「おはよう、有一郎くん」 

おかしい

この人は朝、絶対に起きない。

なのに自分から起きてる、だと!?

しかも、もう身支度を整えているし。

あなた「今日は、お花がいっぱいの着物にしたの
     とても綺麗でしょ?」

うふふ、とその人は笑う。

有一郎「……ご飯、出来てる」

あなた「ありがとう、行きましょう」

あの人はすたすたと行ってしまう。 

僕もう慌てて後ろを追う。




朝食を済ませ、

二人で屋敷から出る。

あなた「じゃあ、行こうか」

有一郎「うん…」

彼女に、「大事な物をまとめておくように」

と言われていたので、

それなりに荷物はまとめてみた。

しかし、大して物を持っていないので、

大事な物とか、ほとんどなかった。

全部大事。


あの人は黒い綺麗な傘を差し、前を歩く。

俺はその後に続く。

あなた「今日は、いい天気ね」

有一郎「うん…」

特に話すこともなかった。



しばらく歩いた。

あなた「すいませーん、東堂です」

有一郎「?」

周りには特に人がいないのに、いきなりあの人が叫んだ。

有一郎「何言って…」

隠1「お待ちしておりました、東堂様」

隠2「あなたも、こちらへどうぞ。」

有一郎「??」

あなた「大丈夫よwいい人たちだから。」

そしてあの人は目隠しをされて、

驚く間もなく僕もされて、

そのよく分からない黒っぽい服の人たちに背負われて

どこかに連れていかれた。

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