第3話

三原色3
380
2022/04/14 09:13
棘side
友達ができた。
それは、自分にとって、初めてのそれらしい青春の始まりだった。
呪いのこもった言葉しか吐けない自分でも、優しく迎えてくれた。
喧嘩をしたりする事もあったけど、それでも楽しかった。

まず、パンダ。
そりゃまあ、初めて会った時はびっくりしたけど(だってパンダって喋るか?)。
でも、すぐに僕の喋る限られた言葉を理解してくれて、悪ノリ仲間にも加えてくれて。
すっごく楽しかった。
次に、真希。
姐御肌で強くて。
最初に、僕がおにぎり語を喋ったらぎょっとされたのは、今でも笑いの種だ。
同じように閉ざされ、いじめられてきた自分とは正反対で、明るく、凛としていて、朗らかで。
何度彼女のことを見習おうと思っただろう。
そして、憂太。
初めは貧弱で、弱くて、深い暗闇の中に沈んでいた。
でも、性格はいいし、一緒に訓練していくうちにどんどん強くなって。
いつしか、居なくてはならない存在になっていた。
うなだれると、しょぼん、という効果音とぴこんと垂れたふわふわの耳が見えるような気がして。
彼はいつだって明るい男の子だった。
狗巻棘
…こんぶ……会いたい…
今でも、他の人を傷つけないために、口から飛び出る言葉はおにぎりの具だ。
狗巻棘
(そういえば、別れ別れだった3人が再会する、って内容の曲があったな)
ありえない。
絶対たぶんありえない。再会するなんて、絶対にない。
でも、思い込むだけでもいい。
3人に会えなくて少しでも心にぽっかりと会いた穴を塞ぎたい。
しばらく考えた後、僕はスーパーに買い物に行った。

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