第8話

数日ぶりの彼女
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2018/03/05 13:18


アイツが来なくなってからあっという間に時間は経過した。


気づけば、卒業式3日前に迫っていた。



流石に何日も休む彼女を心配し、見舞いたいというクラスメイトも何人もいたが、先生は彼女の住所を教えてくれなかった。


彩瀬 翔
アイツ、今日も来ないのか…?
佐々木 大河
なーに?加治ちゃんいなくて寂しいの?
彩瀬 翔
はぁ?そんなじゃねーよ。
佐々木 大河
本当に??
彩瀬 翔
流石にこんなに休んでたら少しは心配するだろ普通。お前は心配じゃねーのかよ。
佐々木 大河
勿論、心配だよ。
そんな時だった。

ガラッと教室の手前の扉が勢いよく開く。
加治 結
おはよう!!
彩瀬 翔
加治…!
クラスメイト
結ちゃん!心配したよ!!!
加治 結
ごめんね、風邪こじらせちゃって。
クラスメイト
もう。
クラスメイトの大半が前扉に駆け寄る。
佐々木 大河
翔は行かなくていいの?
大河がまたニヤニヤしながら聞いてくる。
彩瀬 翔
はぁ?なんで俺が…。
別に、行かなくても席隣だし。
佐々木 大河
へぇ。
大河と話していると、加治が席までやってくる。
加治 結
久しぶりだね、彩瀬くん、佐々木くん!
佐々木 大河
加治ちゃん、心配したよ~。
翔も、口には出さないけど結構寂しがってたんだぜ。
彩瀬 翔
なっ…!
別に、寂しがってなかっただろ!
佐々木 大河
え~、本当に?
彩瀬 翔
うるせぇ…!
佐々木 大河
もー、素直じゃないんだから。
加治 結
ははっ、二人とも変わらないなぁ。
おはよう、彩瀬くん。
彩瀬 翔
お、おはよう。
何故だろうか、前よりも加治と話すのが嬉しくて、懐かしい。それに、少し緊張する。




(あぁ、この気持ちは___。)

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