【結城家】
そう思いながらベッドに倒れる
ふと視界に入るアコースティックギター
起き上がりそのギターを手に取りそっと弾き始める
♪〜〜……〜
歌が聞こえないのはギターの音でかき消されているだけだ、と思いたくて少し強めにギターを弾いた
どんだけ思いを歌詞に込めても届かない
私の声は誰にも聞こえない
とても、苦しい
ーーーーー……
急に携帯が光った
そこには見覚えのないものが入っていた
入れた記憶のないその曲を再生してみる
光に包まれた私は何処かに飛ばされた
【???】
ただただ広い草原……
少し風が吹いているのか草が揺れてる
でも風を感じなければ草が揺れる音もしない
初音、ミク
あのバーチャルシンガーの!?
なんでこんな所に!?
ミクの声以外聞こえないこの世界は
何も話せない今の私のようで、少し似ているような気がして
ー君の声はこの子を通して私には伝わっているから
そういって抱えてたウサギのぬいぐるみを撫でるミク
そのウサギのぬいぐるみは私が入院中もずっとそばに居てくれた母に貰った物だった
そうして、私はまた少し歌い始めた
ミカヅキ / さユり












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!