ー撮影ー
放課後
通学カバンの中に借りてきた本を入れていると
「あ、神楽じゃん」
『えっ…海人先輩!?」
1つ上の3年生で、夏に引退したばかりの元男子バレー部キャプテンの高橋海人先輩が教室にやってきた
「あれ、今日女子バレー部部活あったっけ?」
『ないですよ。図書室行ってて…先輩こそ何でこの教室に?』
「俺もこのクラスだからさ。懐かしーなーって思って」
『へぇー…』
「あの…さ」
『はい?』
「神楽って彼氏……とかいるの…?」
『え、今はいないですよ?2年の時は今のバスケ部部長と付き合ってましたけど』
「え、喧嘩わかれ?」
『違いますよ。私に好きな人ができたので。
ってかなんでそんなに追及するんですか?
先輩こそ彼女さんいるんですか?』
「いないよ。高校2年になったときに好きな子ができてね」
誰…なんだろう
私が好きなのは
海人先輩だよ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!