ふと時計を見れば7時を回っている
きっと僕を呼んだ部下は今頃軍基地の裏にいるだろう
何をされるか分かってない訳じゃないど、これは僕にとって当然の報いだ。
グルちゃんに幹部の座を守ってもらってる僕は無能だから当たり前だ
ゆっくりと動きずらい足をあげて軍基地の裏に向かった
…
部下が強く押し出した足は僕の腹を強く打つ
ガスッ
部下達は僕を殴ったり蹴ったりしてくる
グルちゃんの事は尊敬しているんだなと、少し安心した
僕のせいでグルちゃんが嫌われるなんて嫌やもん
休む暇なく飛んでくる拳や足は一定の痛みじゃなくて強かったり弱かったりして最高に不愉快だ
でも、ずっとやられてたせいで僕の意識は簡単にはトんでくれなくなってしまった
それをいい事に彼らの暴力は日に日に増していく
勝手に痛みに慣れた僕のせいだ
やっと開放されたが、僕の体はじんじんと痛み動くことが出来ない
また明日やればいいただそれだけ
僕が無能って事くらい皆知ってる
僕が出来ないのは当たり前で僕が帰って来なければ遊びに行ったとか思うだろう
ただそれだけ
それだけの事
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!