第2話

1話
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2021/10/07 13:34
廊下を歩けば後ろから声がする
tn
tn
おい!鬱先生!またサボっとるんか!
別にサボってる訳じゃないけど、彼が言うならきっと僕はサボっていたのだろう
ut先生
ut先生
ごめん!許してや〜!
tn
tn
はぁ、……
tn
tn
お前どうせまだ書類沢山あるんやろ!
決めつけとは怖いものだ、
やってる訳じゃないけど
ut先生
ut先生
ウッ
tn
tn
ほらさっさとせい!!!!!
ut先生
ut先生
は〜い
別に彼の言葉は間違ってない、書類をするのは当たり前だから
当たり前が出来ない僕は一体何なのだろうかとつくづく思う
カツカツカツ
足音が聞こえる
僕の部屋に向かっているようだ
きっと仕事の事だろう
ガチャ
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おい!鬱先生!!
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あの書類早く終わらせろって言うたやろ!!!
ut先生
ut先生
ご、ごめん
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お前なぁ……ごめんって
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あれがどれだけ大事な書類なのか分かっとんのか!!!
僕は、もう何も入っていないかもしれない頭のスカスカの引き出しをあけて、どれ位大事なのか探す
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お前なぁ……もうええわ!!こちとら疲れてお前のミスを直す気力もないねん!さっさとしろや!
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お前と違ってこっちは忙しいねん!
ut先生
ut先生
ごめん
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ッチ…はぁ
そう言って部屋を出てった
彼は僕より忙しい
なのに僕は休憩を言い訳にサボる
無能であり屑だ
その時部屋にコンコンと音が鳴った
ut先生
ut先生
(ロボロ?)
入ってきたのはコネシマ達の部下だ
僕が返事をする前に入ってきたから注意したかったけど、そんな気力も残ってない
モブC
おい、鬱
ut先生
ut先生
はい、なんや
モブC
後で軍基地の裏来いよ
ut先生
ut先生
分かったわ
モブC
クズが、
捨て台詞のように悪口を吐く部下に怒ることもしなかった
彼の方が仕事ができるのだ敬語で話さないのも悪口も当たり前当たり前
僕は使い始めて長らく経つ机に向かって腰掛ける
昔は綺麗な茶色だった木の机も、書類で隠され書類をどかせば綺麗な茶色とは程遠い赤黒く時間が経ち濃い茶色となった汚い汚ればかりだ
だけど、掃除しようとは思わない
これを見ると自分が今までどれほど無能で自分で勝手に傷ついたか形になって分かるから
少し楽になれる気がする
そして僕は、押し付けとも思えよう書類を黙黙と片付ける
休みたくなれば、机の引き出しから今じゃ相棒とも言える鋭く尖ったカッターを取り出す
昔は痛かった気もするが、今じゃ痛覚も無能なのか痛みも感じない
僕の傷は僕が頑張った傷だから
悪いのは僕で皆じゃない、僕は頑張んないでサボってる僕はみんなに見合ってない

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