トントントントン…
ジュージュー
料理の音ってこんなに心地いいだなぁ。
掃除を終えた男たちは
みんな揃って椅子に座り テーブル越しに
あなたちゃんが料理をする姿を
眺めていた。
小指を立てて いやらしい顔をする
はじめくん。
すると、トマ坊が無言で立ち上がり
あなたちゃんの隣に立った。
さっさっと腕を捲り
スポンジを手にして トマ坊が洗い物を始めた。
あなたちゃんは料理をしながら
トマ坊は洗い物をしながら
他愛もない話をし始めた。
なんだか その後ろ姿が…
だいちくんがボソッと呟いたあと
どんどん青ざめた顔になっていった。
明らかにはじめくんが不機嫌というか
落ち込んでる… ?
こそこそとだいちくんと
テツヤが話している。
…全く。
背中を押してやらねばならんな。
はじめさんは ゆっくり立ち上がった。
はじめさんは ちらっと俺を見て
思いっきり笑顔でグー👍🏻サインを送ってきた。
良かった良かった。
トマ坊が戻ってきた。
なんて 会話をしていると
元気を取り戻したはじめさんが
大きな声で言った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!