憂鬱。憂鬱ですよ、ものすごく憂鬱ですあぁ憂鬱です。憂鬱って言う画数多い漢字を覚えられなくて何回も練習させられるよりも憂鬱です。
…………けど。行かなきゃなぁ…
扉を開けてみる。中にいるのは…お願い、朝比奈さんか和倉くん!この空気をぶち壊し…((天沢くん1人!!ジーザス!!
絵………描いてるんですか?
いやいやいや、なんではおかしい私!ここ!美術部!忘れないで?!
そうだよ、天沢くんの絵を見てみよう、そう。どんな絵を描いて…
むしろ女ですらないですね。猫ですね。とっても可愛いです。はい。
昨日考えて、変態でいて欲しくなかったのかとか考えたはずなんですけど……。
なんで名前呼んだ私!!話すことなんて何も無いくせに!!
あーもうなんで聞いたし。空気感が。考えたくないくせに。もう…
どうしよう、会話が繋がらない……。
沈黙が……重い。
天沢くんの方から話しかけてきた!!どう…っし、
今………なんて…
何でだろ、なんでこんな、少し、ショック受けてるんだろ……
なんでだろう。……いやマジでなんでだろう?!おかしいぞ。なんでこんなショック受けてんの私!
いや嬉しい事じゃないですか!和倉くんが来て、その分天沢くんが下ネタを言わなくなるなんて願ってもないことで…
…なんか………なんかぁ…
"拒絶"みたいじゃん。それって。
ひな……通常運転ですね!清々しいほど!
うん、なんか……一周まわっていける気がしてきた。
心の整理だとか、色々ついてなくて。
自分が何がしたいのかも何が嫌なのかも、全くわからなくって……。
ただ。いくら分かりやすくても、裏表がなくても…悟られたくない。
天沢くんが下ネタを言わなくなって、悲しんでることだけは。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。