第9話

本編⑥
14
2026/03/21 09:00 更新
あなた
(──ついに、この日か)
高校2年生、最後の日。
明日になれば、私は剣持のことを忘れてしまう。
その前に、早く…でも、最後まで。
あなた
お待たせ!待った?
knmc
…僕は乗らないぞ
あなた
え〜、私はやってあげたじゃ〜ん
knmc
頼んでないが?
学校はとっくに終わっていて、今は春休み。
私の最後の日だから──伝えていないけど、きっと剣持は察しているだろう──2人で遊びに行こう、と約束した。
あなた
なにげに2人でカラオケ行くの初めてじゃない?
knmc
確かに
あなた
剣持の歌、めっちゃ楽しみ!
knmc
あんま期待しないでよ?
あなた
大丈夫大丈夫、私も別に上手くはないから。
話しながら移動していると、カラオケ店に着く。
あなた
カラオケを予約したあなたの名字です。
店員
あなたの名字様ですね。
店員
2名様、5時間のご利用で間違いないでしょうか?
あなた
はい。
料金を払い、部屋に向かう。
あなた
何歌おっかな〜
knmc
あ、先に歌うの?
あなた
もちろん
何を歌おうか。
一発目はやっぱり──
あなた
「私は最強」!
knmc
…それ歌う人が歌上手じゃないわけないでしょ…
あなた
えーそう?
私が歌い終わると、剣持は不機嫌そうに拍手をしながら言う。
knmc
上手いじゃん。詐欺師がよお!
あなた
まあまあ。
あなた
ほら、次は剣持。
マイクを受け取り、曲を選択する剣持。
knmc
じゃあ…「ブリキノダンス」。
あなた
(うわ、上手…かっこよ…)
あなた
お前も上手いじゃねえかよ!
剣持が歌い終わり、私は文句を言いながら軽く殴る。
knmc
んは、痛い痛い。痛くないけど。
あなた
…めちゃめちゃかっこよかった。
私が褒めると、剣持は少し固まった。
そして笑いながら、
knmc
…ありがと。
5時間、私たちは歌を楽しんだ。
剣持はラップ調の歌や英語の歌を歌っていて、とにかくかっこよかった。
私も謎の対抗心が出て、早口な歌や高音の歌を歌った。
あなた
…あと1曲かな?
knmc
時間的にそうだね
あなた
歌っていいよ
knmc
え、でも…
あなた
いいよ。私は最後の最後に歌いたいから。
knmc
…わかりました。
私の意図を汲み取ってくれたみたいだ。
彼はマイクを取った。
最後の歌が流れ始めた。

























knmc
…あんま褒めんな
あなた
お?照れてるんですか剣持くーん?
knmc
黙れ炎上させるぞ
あなた
ひどい!

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