高校2年生、最後の日。
明日になれば、私は剣持のことを忘れてしまう。
その前に、早く…でも、最後まで。
学校はとっくに終わっていて、今は春休み。
私の最後の日だから──伝えていないけど、きっと剣持は察しているだろう──2人で遊びに行こう、と約束した。
話しながら移動していると、カラオケ店に着く。
料金を払い、部屋に向かう。
何を歌おうか。
一発目はやっぱり──
私が歌い終わると、剣持は不機嫌そうに拍手をしながら言う。
マイクを受け取り、曲を選択する剣持。
剣持が歌い終わり、私は文句を言いながら軽く殴る。
私が褒めると、剣持は少し固まった。
そして笑いながら、
5時間、私たちは歌を楽しんだ。
剣持はラップ調の歌や英語の歌を歌っていて、とにかくかっこよかった。
私も謎の対抗心が出て、早口な歌や高音の歌を歌った。
私の意図を汲み取ってくれたみたいだ。
彼はマイクを取った。
最後の歌が流れ始めた。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!