第11話

ありがとう
16
2019/12/30 04:43
彼は気分屋だ

別れたのに思わせぶりな行動をする時がある

私が手にボツボツができた時に
彼は汚いと言った何気なく言っただけ
彼はそういう奴
知ってる
でも私は悲しかった傷付いた

悲しんだように私は言った

最低、なんでそういうこと言うの?
心の中で本当に思っていたこと
それは帰りの会の時
先生はいなかった

彼の席の後ろは私の友達の席だった
そこに、私は座っていた
休み時間に話していてそのまま帰りの会になったから
その友達は私たちのことを知っていたから気を使ってくれた
ありがとう
ちょっと話がズレた

彼はカーテンを縛っていた

私は机に顔をつけて悲しんでいた

彼はカーテンを離した

そしたら私の頭の上に偶然きた

すっぽりと私の顔は隠れてしまった
前を見ると彼しか見えない

カーテンで隠れて見えない
クラスメイトからも見えない

同じ空間にいるのに
私と彼だけしかカーテンの中にはいない

その時間を私は楽しんだ

私はカーテンで顔を隠して汚いの?やだ?とか聞いた
悲しい

そしたらごめんと言って私の手のブツブツをなぞってきた(そんなにひどくない)

大丈夫?って聞いてきた
そういうことをするからみんな好きになるんだよって言いたかった
それから、私はいじけてた
そしたら頭の上に手が置かれた
彼の手だ

私の髪の毛を触って
頭ポンポンしてきた
嬉しかった
いや、悲しかった

なんでそういうことするの?
私達別れたんだよ?

みんなにそういうことしてるの?

知りたかった

まだ私の事好きなのか

でもそれは無い

彼には好きな人がいる
この理由で別れた

私じゃなくてその女の子を選んだということ

悲しかったでも納得がいった

私は可愛くもない
性格も良くない
いい所なんてひとつもない
なのに彼は私の事優しいって言ってくれた
嬉しかった

そんなこと言ってくれた人初めて会った

好きだけど思いは届かない
とどいているのかな?

もう届かなくてもいいや

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