3ヶ月が経った今
私は202には住んでいない。
そう、「出て行った」に近い。
彼の自宅で
彼が隣で眠る今日。
幸せを感じているつもりだ。
彼はニコッと微笑んで
と言う。
前のような生活。
これで満足か?
準備をして、
車に乗る。
そう。私たちはもう、
社内恋愛をしている。
バレるバレないではなくて、
愛する愛されるの問題だった。
あの日から、、
彼と離れてから
見る世界が変わった。
誰にもバレず
時を過ごす。
定時になって
先に会社を出ると、
フロントに見覚えのある人がいた。
彼は私の手を引いて
そう言い放って私を連れて帰る。
私は本当のことを知っているから
彼が忘れられない。
車に乗せられ203に戻る
久しぶりだなぁ。この家の香り。
入るだけ入って、立ち尽くしたまま。
彼に言われ
椅子に腰を掛ける。
そこから話は始まった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。