彼が眠っている間
持って帰った仕事を片付ける。
ブーッ
メールが。
「 今 何 し て る の ? 」
返した方がいいだろうか。
「 自 宅 で 仕 事 し て ま す 。」
そしたら
「 も う 、あなた に と っ て
お っ ぱ は 必 要 な い ? 」
って来た。
「 部 長 は 必 要 で す 。」
あえて、遠回しに返した。
おっぱではなく、
部長、と書いて。
ブーッ
「 俺 は 社 員 の あなた も 必 要。
で も 、 お っ ぱ の あなた の 方 が
も っ と 必 要 な ん だ よ ? 」
言葉と共に
机から落ちたカップ。
バラバラに割れた。
ミンギュが起きるかも。
返事はしなかった。
次なんて帰ってくるかわからなかったから。
お昼ご飯
何作ろうかな。
そんなどうでもいいことを考えながら
パソコンを見ていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。