窓から差し込む光。
快晴だ。よかった。
化粧をして、スーツケースの最終確認。
大丈夫。
ピーンポーン
と、インターホンが鳴った。
ガチャ
と、ドアを開けると
いつもの部屋着とは違う雰囲気の彼が。
いた。
お互い照れながらも
彼の車に乗って、ドライブに出かけた。
手を繋ぎたい。
ハンドルを握っている、片方の手。
彼の温もりが、今、欲しい。
彼の出してくれた手の上に
私の手を添えて。
指を絡めて、温もりを感じた。
窓を見れば青い海が一面に広がっている。
車を停めて
彼と砂浜を歩いた。
私は彼の手を引いて
波打ち際まで走っていった。
空気も気持ちよくて
10:00の時間帯にはぴったり。
砂浜に腰を降ろして
ただ眺めていた。
それだけでも嬉しい。
いるんだけど。ね。
もし、いなくなったらどうしようって
考えてしまう。
そう言いながら
彼の頭を撫でた。
彼は少し照れながら
お昼を食べに行って
商店街を歩いた。
手を繋いで。
この時間がずっと続けばいいな。
お互いがそう思っていると思う。
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ジフンside
かわいいかわいい彼女の笑顔が
俺の頬を少し赤くさせる。
好きだよ。
そう伝えても
彼女は困らないだろうか。
彼女が自分から離れてしまったとき、
どうやって
生きていけばいいのか。
この小さな旅行が
最初で最後になるのは
自分も
彼女も
知らないだろう。
まだ、何もわからないんだ。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。