ご飯を食べて
自宅に帰った。
待っているのはこの人で。
なんでも見透かされてしまう。
ソファーに腰をかけると
少しして彼が渡してくれたのは
甘いホットミルク。
口に含むと甘い香りが鼻に抜けていく。
そうだった。
両親もいない私には
ひとりは無理だ。
彼の声が急に不安になった。
彼の頬を優しくつねった。
彼は一呼吸置いて
そう言った。
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スニョンside
彼女と飲んで、言いたいことを言って。
少し後悔した。
家に入ると
リビングでコーヒーを飲んでいた。
携帯の画面には
彼女と連絡をとっていた。
あぁ。やっぱり、ウジは。
彼は少し顔を赤くして
手で隠しながら
俺も、そんなに夢中になっている
ウジを見るのは初めてだよ。
彼は
彼も気になっているんだろう。
彼の切ない笑顔が胸に刺さる
涙が出そうだ。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!