そのまま目が覚めて
私の大掃除が始まった。
洗濯
掃除機
洗いもの
ゴミ捨て
窓拭き
お風呂に
トイレ掃除まで。
心も綺麗になりそうな勢いだった
AM
10:30
ピーンポーンと
部屋に響く
嬉しかった
とドアを開けると
私の望んでいる人ではなかった。
彼は
私に謝った。
そのまま彼は部屋のドアを閉めて
玄関の中に入った
少し大きな声だったから
私は怖くなった。
1歩、2歩、、、
少しずつ彼から離れた。
彼の声は
私をどうさせたいんだろう。
靴を脱ぎ
ゆっくりと
私に近づいた。
彼は私の両手を握り
また、私を狂わせた。
怒りが涙に変わる寸前
壁に押し付け
彼は私にキスをする。
振り払う力も気力もなくなったとき、
涙は勝手に溢れ出す。
サランと重ねる唇を
私と重ねてどうするの?
彼女と重ねる身体を
私と重ねようとしてどうするの。
泣きながら喘ぐ私の頬を伝う涙を
彼は優しく拭いた。
ガチャ
とドアが開き
彼女の笑顔は怖かった。
嫌な予感がした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。