勇太「あなた(ガチャッ」
『あ 、勇太くん』
勇太「また転校するの ?」
『 ……… まあね』
勇太「俺 、あなたと離れたくない」
『そんなの 、私だってそうだよっ』
また涙が溢れてくる 。
勇太「よしよし(ギュッ」
『勇太くん …… 』
私は勇太くんの背中にそっと手を回した 。
勇太「俺だって 、あなたとずっと一緒にいたい」
『っ …… やだ ……… やだよ 、離れたくない …… 』
勇太「俺 、やっぱりあなたを諦められない」
『え ?』
気づいたら勇太くんの顔が間近にあって 。
『っ 、(チュッ』
キスされた 。
勇太「ごめん 、(ダッ」
「 ……… はぁ 、なんで俺に言わんかったん ?」
『れ 、廉』
廉「俺は 、あなたへの愛なら負けへんもん」
『 …… ありがとう』
廉「でも 、あなたの心におるのは神宮寺なんやな」
『え ?』
廉「俺より神宮寺と離れたくないって思ってるやろ」
『 ……… 』
たしかに 、そうかもしれない 。
廉「あなたが本当に好きなひと 、わかったやろ ?」
『わかった 、』
廉「じゃあ 、早く行って 。神宮寺んとこに」
『う 、うん !(ダッ』
廉「 ……… 好きって 、届かへんもんやな」
『勇太くん !!』
勇太「あなた 、」
『やっぱり 、好き !大好き !!(ギュッ』
勇太「え ?」
『廉に言われてやっとわかった
勇太くんと離れたくない 。ずっと一緒にいたい』
勇太「俺も」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!