(( あなたside ))
『え ?』
廉「なんでもない」
『 …… 大丈夫 。私は廉の隣にいるから』
なぜか 、こう言った方がいいって 。
そんな予感がした 。
廉「ほんまに ?」
『うん』
廉「ありがとう(ギュッ」
『ちょ 、ちょっと 、廉 !ここ道端だよ !!』
廉「ええから 、黙って俺の腕の中にいろ」
さっきより強く 、でも優しく抱きしめられて 。
なんだか安心してしまった 。
廉「じゃあ 、明日迎えに行くから」
『え 、いいの ?』
廉「当たり前やろ」
『ふふ 、ありがとう 。また明日ね』
廉「明日」
『(バタンッ ………… 』
勇太くん 。
『っ …… はぁ 、グズッ』
会いたいの 。
でもっ 。
それでも 。
私なんかじゃだめなんだって 。
分かってるけど 。
好きなの 。
その日 、私はひとりで泣きじゃくった 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!