本当に、あと少しだった。
残念な気持ちと同時に悔しい気持ちも
込み上げてくる。
バスケ部のことを知らずにただ応援に来た
私達でもこんな気持ちになるのなら、
本人たちの気持ちは計り知れない。
忘れてたっ←
慌ててコートの方を覗くも、特に重症ということではなさそうだったので良かった。
でも…
きっと壮馬は誰よりも悔しいだろうな…
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その日の帰り。
たまたま友達と会って話していたら
大分遅い時間になってしまった。
だから偶然部活帰りの壮馬達と
合流することができた。
私はあやねるが江口くんに会うために
わざと帰る時間を遅くしたんじゃないかって
疑ってたけど。
そして
あやねるが江口くんを見つけた瞬間
江口くんに向かって一目散に走っていった
ことでその疑いは確信に変わりました笑
あやねるは試合中、どんなに江口くんがかっこよかったかをひたすら本人と西山くんに語っている。
私たちは…
壮馬が自嘲気味に言う。
私は思わず、
とにかく壮馬にそんなこと、思って欲しくない。
悔しいのはもちろんわかる。
だけど…
責任を感じて欲しくはなかった。
もしかしたら、私にも原因、
あるかもしれないんだし…
壮馬が私に向き直る。
そう言われたことが、何故か少し嬉しかった。
なんでだろう…?
いつか、分かるのかな。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。