あやねるは今にも泣き出しそうな顔をしている。
嫌な予感がした。
この前まであんなに仲良かったのに……
そういえば、あの時あったことは江口くん
達には話していない。
なんで知ってるの…?
しかもなんで今更……?
私が呆気にとられていると、
あやねるの話はテンション-100%のせいか、
無駄に長かったのでまとめると……
・拓也の所にある女子が来て…
・応援をあやねるに邪魔されたと言い…
・そしてまさかの告白。
・好きだから今の彼女と別れて付き合って欲しいと
言われたらしい。
うちの学校は上履きの色によって学年が
分かるようなっている。
私たち、1年は緑。2年は黄色。
そして3年が…赤色。
もう驚きと呆然とした気持ちを通り越して
怒りしか湧いてこない。
こんなことをした奴は1人しかいない。
大会の応援に来ていた、3年の女子。
竹谷 萌愛莉。
あやねるの気持ちを蔑ろにした
江口くんも江口くんだけど、
全ての発端はこの女だ。
きっと私たちになんの変化もないから、
苛立ってこんなことをしたんだろう。
まだたった1週間だけど、
我慢ならない。
私の親友を傷つけた罰、与えてやる。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。