要するに、1年と3年のほぼ全員の女子で
総スカンってわけだ。
きっと男子には手は回っていないはず。
壮馬たちも普通だったしね。
厄介な萌愛莉に向き直る。
まずこいつをどうにかしないと。
あ、虐めてる自覚あるんですね。意外。
まずそういうことをしてる時点で充分酷いやつだと
思いますが。
とんだ暴挙だな。女王様かよ。
そんなことする訳ねーだろばぁかばぁか←
ええ。大丈夫です。どんどんエスカレートしていくだけでしょ。どうせ
それくらいしか出来ないんだから。
ていうかバレる可能性とか考えないんかな?
急に会話に入ってきた絵美理が私に向かって
低い声で言う。
あーまじか
真礼先輩と生徒会の時以外、生徒会室以外で話したのは昨日だけ。
そこまで見られているとはね
視線の正体、よく分かりました。
きっと前々から準備してたんでしょうね。
用意周到なこと。
まぁ、これも従うわけないけどね
全員、私の大切な人だから。
ずっと一緒にいたいのは当然じゃん。
恋愛感情とかそういうんじゃなくて、
大切な友達、あるいは先輩として。
はぁ、面倒くさいことになりたくないからまだ
キレてないだけ十分自分の立場をわきまえていると
思いますが??
というかお前もな?
こいつは馬鹿だからきっとただ私のことが嫌いで
傷つけたいだけ。
だから何も考えずただ姉の言うことに従ってるだけ
なんだと思う。
だけど萌愛莉の方は……
ちゃんと考えてやっている。
どうしたらバレないか、私達を貶められるか等々…
性格もやることもクソなのは変わりないけど
思ったよりは馬鹿じゃない。
そして私とあやねるをひと睨みしたあと、
2人は去っていった。
絶対にこんな最低な奴らに屈するもんか。
諦めさせて、自分の愚行を反省させてやる。
大丈夫、私は負けない。
だって、ひとりじゃないから。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。