この人……ゴーストは、学園長の秘書的な………
ゴーストホストと呼ばれる補佐官の役割
学園長室の前で、来客の管理も行っている
スーツを来たゴーストは、タブレットを触り始めた
ギィ…
鈍い音をたて、扉が手前にゆっくり動く
その奥は、暗い廊下が続いている
私は、右の髪を耳にかけた
すると、2人の言い合いもピタリと止む
腰までしかない白いマントを翻し、足を進める
寮長は、寮カラーのマントを制服につけることが伝統だ
制服も、形だけなら選べる
スカート、ズボン、長さも
袖の形もいくつかあったかな……
カツン、カツン────
ローファーのかかと部分が廊下に当たる音が響く
廊下の所々には、花瓶、絵画、燭台がある
ロウソクの炎が、私たちとすれ違う度揺れ動く
影も大きくなり小さくなりを繰り返す
またしばらく行くと、扉がある
2回ノックをし、声を張る
スッ、と、音もなく扉が開く
中は、壁一面に本棚
灯りはロウソクの炎のみ
書斎の机には、本が折り重なり
その中央に、水晶玉がある
全員中に入ると、また扉が閉まる
と同時に、透き通る水晶が濁りを見せる
その靄の中から、顔が浮かび上がってきた
そう、この水晶玉に映る方こそ
我がノーブルシャドーカレッジ学園長
マダム・レオン学園長────
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!