第29話

Story27
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2021/07/31 01:19
あなた

えっと……私がやるん…ですよね

フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
それ以外何があんのさー
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
フロイド、気分屋も大概にしろ。
練習再開するぞ
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
やだやだ!ハゼちゃんもやる!
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
子供じゃないんだから駄々をこねるな!
あなた

えっと……ご迷惑じゃなければやりますよ?私

フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
やったー!
ハゼちゃんもこう言ってるし、いいよね!
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
まったく……本当にすまないあなた…
あなた

いえいえ!
寧ろ迷惑じゃないですか…?

ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
こっちとしては、フロイドが大人しくなるから助かるが…
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
ハゼちゃーん!こっちこっち!
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
俺と同じチームね?
あなた

了解です

ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
とりあえず、2対2で練習しよう。
エースは俺とチームだ
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
はーい
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
得点頼んだぞ
男子生徒
男子生徒
わかりました!では……開始!
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
エース!パス!
あなた

よっ…

エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
くそっ、阻まれた…
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
ハゼちゃんナイス!
あなた

フロイドさん!

ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
はっ…!
あなた

あっ……

エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
そのまま抜いてください!
あなた

(こっちから回り込んでボール取るか)

ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
あっ……しまった…!
男子生徒
男子生徒
すご………
男子生徒
男子生徒
バイパー先輩からボール取った…
ガコン
あなた

よしっ

フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
ハゼちゃんさっすがー!
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
すっげ……もしかしてバスケやってました…?
あなた

いや?
学校の授業でしかやってないよ

ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
はは……一発目点を取られたのは久々だな。俺も本気で行くぞ
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
現役バスケ部の本気、
俺も見せちゃいますからね
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
ハゼちゃんとオレの方が強いしー
あなた

(……やばい…………)

あなた

(……すっごく楽しい…)

今まで、こうやって本気でスポーツをすることは無かった




仲間たちと和気あいあいと過ごすこと




すごく気が楽で、楽しい




思わず顔がほころんだ




僅かに頬が紅潮するのも感じた




ここに来て初めて、寮長で良かったって思えた




心に巻きついた鎖が、ひとつ取れた気がした




ピピ-ッ
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
はぁ…はぁ……しんっっど……!
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
ああ…そうだな…
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
ちぇー、逆転されてっし
結果は、私たちの負け




後半で逆転されてしまった




私の体力が尽きたこともあるだろう




顔の輪郭に伝う汗を腕で拭う




そこで気がついた




上の窓から射し込む光は、炎のように紅い




ツヤツヤの床も、乱反射して赤と白で覆われていた
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
もうこんな時間か……
遅くまで付き合わせて済まない
あなた

いえ!すごく楽しかったです!

フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
まじー?
じゃあ明日も来てよー!
ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
あなたにもあなたの予定があるんだ!これ以上わがまま言うなフロイド
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
ウミヘビくんに訊いてねーし
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
あなた先輩、部活文化部ですよね?もったいねー…
あなた

社交礼法部ってね、社交ダンスとかワルツもやるから、結構体幹鍛えられるんだよ

エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
あー……文化部と言うなの運動部ってやつか………
あなた

エースも、部活頑張ってね

エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
そりゃもちろんっすよ
あなた

(時間……課題そろそろやんないと…)

あなた

すみません、お先失礼します

ジャミル・バイパー
ジャミル・バイパー
ああ、気をつけてな
フロイド・リーチ
フロイド・リーチ
ハゼちゃんばいばーい

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