ピンポーン
母:あなた、侑くんが来たわよ!
あなた:はーい!
鈴木:あなた様、本当にお車は要らないのですか?
あなた:はい、侑くんいるから大丈夫です!
鈴木:左様でございますか。帰りに必要であればいつでも呼んでくださいませ
母:あなた、気を付けて行ってらっしゃい
あなた:うん、行ってきます!
あたしはあれから色んな人に謝られた
両親、学校の人達、ましてや瑠衣にまで
みんなにたくさん謝られたけど
返す言葉は侑くんの時と一緒だった
あたしは様態が直ぐに回復してリハビリをした
お医者さんにも驚かれたけど回復が早くて
なんとか新学期までに日常生活が送れるようになった
東京での事も全て知った両親が
家を兵庫へと移した
もちろん本社の移動は出来ないのでお父さんはそのまま
お母さんと鈴木さん含めた使用人の皆は
兵庫へと来てくれて今は一緒に暮らしている
そして________今日から新学期が始まる
あなた:侑くんおはよう!
侑:おん、おはよ
あなた:ごめんね、迎えに来てもらっちゃって…
侑:いや寧ろすまんな、朝練ないから一緒に行きたいなんて……歩けそうか?
あなた:うん、だいぶ歩けるから大丈夫だよ!
侑:そか。ちゃんと支えてやるから、ゆっくりでええからな
侑くんは優しく微笑みながら手を握ってくれた
前のような平和な日常が
いや寧ろ前よりも______幸せな日々が戻ってきたんだ
あなた:桜、まだ咲いてるね!
侑:おん、そうやな
あなた:綺麗……!
あたしは立ち止まって桜の木を見上げた
散っていく桜の花びらが風に吹かれてとても綺麗だった
侑:………綺麗やな
あなた:ね!綺麗だね!
侑:俺が言っとるのはあなたの事やで?
あなた:え?
侑くんはそう笑いながら
あたしの髪についた花びらを取ってくれた
侑:………また……2人で笑い合えてほんまに幸せや
あなた:!あたしもすごく幸せだよ…!
侑:いや、あなたにはまだまだ足りひんで?
あなた:え?
侑:今まで辛い思いをさせた分、その倍以上に幸せになってもらわなあかんからな
あなた:………!
侑:もちろん______俺と一緒にな
侑くんは優しくあたしの頭を撫でてくれた
やっと________幸せになってもいいのかな?
侑:あなた、大好きやで
あなた:…….!
侑:あなたがあの時俺に好きかって聞いてきた時決めたんよ
あなた:え?
侑:これから嫌ってほど" 好きや "って伝えたるってな
あなた:……!
侑:やから覚悟しといてな?
あなた:え……!
驚くあたしの唇に________侑くんの唇が重なった
もちろん辛い思いもたくさんした
死んでしまいそうだと思った時も
実際死んでしまいそうになった時もあった
だけどあたしは今此処にいる
大好きな彼の隣で笑っている
あたしはこれが" 運命 "だったと信じて
これから_________たくさん幸せになるんだ
『 大好きだよ__________。』
どうかこの幸せがいつまでも続きますように________。
END.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!