第15話

在る爆弾-其ノ伍
3,395
2019/09/04 13:46
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
お前もな···!!
爆弾魔が国木田の手から起爆釦を取り返す。
国木田 独歩
国木田 独歩
しまった!!
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
馬鹿にしやがって!
本当、異能力者って奴らは何処か心が歪だ
ポチッ。

爆発まで───残り三十秒。
中島 敦
中島 敦
あと三十秒で爆発!?
爆弾の一番近くにいるのは···敦だ。
国木田 独歩
国木田 独歩
小僧!
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
させるかッ!
国木田が敦の方へ行こうとするが!すかさず爆弾魔は国木田を食い止める。
中島 敦
中島 敦
国木田さん!

(どうする···!?)
───『爆弾に何か覆い被せれば、ある程度は、抑えられるだろうけど』
中島 敦
中島 敦
何か被せるもの···!
何か、何かないか!?
被せるものを探し、周りを見渡す敦の視線が捉えたのは、人質になっていたバイトの女の子。
中島 敦
中島 敦
ッ!
敦はその子を突き飛ばし、なるべく爆弾から遠ざける。

突き飛ばされた女の子は、無事太宰に支えられ、地面への衝突を免れた。
太宰 治
太宰 治
敦君!
···なッ!?
中島 敦
中島 敦
あれ···ぼ、僕は何をやってるんだ···?
其の時敦は、爆弾を抱え、うずくまっていた。
You
You
馬鹿ッ!
太宰 治
太宰 治
馬鹿ッ!
太宰とあなたが同時に叫ぶ。
国木田 独歩
国木田 独歩
小僧!!
爆弾魔に抑えられながらも、国木田も叫ぶ。
中島 敦
中島 敦
クッ···!!!
······


───表示された三十秒という時間が過ぎて間もなくしても、爆弾は爆発しなかった。

漸く敦が顔を上げると、探偵社の皆が敦を見つめていた。
国木田 独歩
国木田 独歩
···やれやれ。馬鹿とは思っていたが、これ程とは
太宰 治
太宰 治
彼には自殺嗜癖の才能があるよ
You
You
···そんなの治だけで充分
太宰 治
太宰 治
ふふふ。照れるねぇ。
君はどう思う、谷崎君?
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
御免ねぇ···大丈夫だった?
敦が目撃したのは、心配そうに此方を見ている先程の爆弾魔だった。
中島 敦
中島 敦
え!?
谷崎ナオミ
谷崎ナオミ
あァ〜!!!
お兄様!大丈夫でしたか?
そして何と人質になっていたはずのバイトの女の子の頭が爆弾魔(?)の顎にクリーンヒット。
You
You
(痛そう···)
谷崎ナオミ
谷崎ナオミ
悪いお兄様も、すっごく素敵でしたわ。
縛られて、脅されて。
私もう堪りませんでしたぁ!
家に帰ったら、続きをして下さいませね?
目の前の有様に、めっっっちゃ動揺する敦。
中島 敦
中島 敦
···バイトさんもグルって事ですか
国木田 独歩
国木田 独歩
小僧、恨むなら太宰を恨め。
さもなくば、仕事斡旋人を間違えた己を恨め。
中島 敦
中島 敦
てことは之って···
太宰 治
太宰 治
云っただろう?
ちょっとした試験が有るって
中島 敦
中島 敦
つまり、入社試験···
???
その通りだ
奥から新たな人物が現れる。
モブ
試験の方は滞りなく終了致しました、社長
↑ここ春野さんですね。ごめんなさい
アイコン作るのが面倒臭くなってしまいました。気が向いたら作ります。
中島 敦
中島 敦
社長···?
福沢 諭吉
福沢 諭吉
そこの太宰めが、有能なる若者が居る、と云う故。
その魂の真贋、試させてもらった
武装探偵社、社長。
福沢諭吉···異能力〈人上人不造〉
太宰 治
太宰 治
いやね。君を社員に推薦したのだけれど、如何せん君は、区の災害指定猛獣だ。保護すべきか否か、社内で揉めてね
福沢 諭吉
福沢 諭吉
だが太宰が云ったのだ
『社長。社長は、もし此処に世界一強い異能力者が現れたら、雇いますか?』

「其の事が探偵社員なる根拠とはなり得ない」

『だから私は彼を推すんです』
国木田 独歩
国木田 独歩
それで社長。どのようにご判断を?
福沢 諭吉
福沢 諭吉
···太宰に一任する
太宰 治
太宰 治
お任せ下さい、社長
中島 敦
中島 敦
···ち、一寸待ってください太宰さん!
それじゃあ僕に紹介する仕事って···
太宰 治
太宰 治
合格だそうだよ。
武装探偵社にようこそ。

中島敦君。
谷崎ナオミ
谷崎ナオミ
おめでとうございます!
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
お役に立てて、良かったです
こうして、河川敷で飢えていた少年、中島敦は無事、入社試験を合格することが出来たのでした。
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どうも皆さん。
今回も登場、作者の亜璃珠です。

実は···このお話で事前にドリノベで書いていたお話は終わりです。

つまりここからは、今から作っていきます。

ということで、もしかしたら今以上に亀更新になってしまうかもですが、これからも頑張って参りますので、どうぞよろしくお願いします!

ではでは!

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