第2話

1話
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2019/06/09 10:19
私は、青紫あなた。今は学校の外のベンチで読書中です。
秀徳高校に入学してから2週間。未だに友達はいません。てか、いらない。
まぁ、部活ももうそろそろみんな部活しているだろうな…。
私は図書委員だしいいんだけど。部活はいいや。
特に入りたいのないし。
??
あっ、ごめん!そこの子!そのボールパスして!
………?何か足にぶつかった。
下を向くと。
バスケットボール?
私は本をパタンと閉めて、ボールを手に取った。
正面向くと、黒髪の男の子。
あれ?同じクラスの…?
??
あ!青紫さんだっけー!?
青紫 (you)
えっ…あ、はい。
青紫 (you)
えっと…?
高尾 和成
俺、高尾和成!同じクラスだよね!
私の名前なんで知ってんの?この人は。
そういえばいたな…明るい人。
青紫 (you)
高尾…さん。はい、ボール。
高尾 和成
おぅ!せんきゅ!
青紫 (you)
いえ…。では失礼します。
早く立ち去りたい。この場から。
何か面倒になりそう。
高尾 和成
ちょっ、待った待った!
青紫 (you)
…え?
高尾 和成
俺ももう帰ろうと思ったからさ!
高尾 和成
一緒に帰らない?
は…?何言ってんだ。この人は。
会って急に男女で帰るとか!?
論外でしょう!?
はぁ!?
青紫 (you)
何言ってるんですか?
高尾 和成
えー?ダメー?
いや、心から嫌です。変な人だったら終わる。
青紫 (you)
だ、だめです。
高尾 和成
まぁまぁ!そう言わず!
いやいやいやいや。
何で!?家の方向とか違うといいんだけどな!
青紫 (you)
…家の方向は?
高尾 和成
んー?そこの北門から出るよー?
……同じか…!!
しかもあっからはほとんど一本道だし…!
高尾 和成
もしかして一緒だったとか?(ニヤニヤ
青紫 (you)
うっ…
ば、ばれた~!










んー…まぁ、もういいや。何かされたらブッ飛ばすのみ。
高尾 和成
ねぇねぇ!いいでしょ?
青紫 (you)
…分かりました。早くしてください。
高尾 和成
っしゃあ!ちょっと待ってて!
青紫 (you)
置いてきます。
私はバックの中に本を入れ、歩きだす。
すると数秒遅れて私の隣に彼が並ぶ。
高尾 和成
ねぇねぇ、青紫って背高くない?
青紫 (you)
やめてください。コンプレックスです。
背が175もある。彼とは1センチくらいしか変わらない。
昔からこの背の高さがコンプレックスだった。
『スタイルがいい』
『羨ましい』
『背高すぎ…キモイよね~』
服とか、髪とか。そんなの変えれたけど、この背の高さはどうにもできない。
バッグを握る手を握りしめる。
高尾 和成
ごめん…悪いこと聞いたかな?
青紫 (you)
あ…いえ。少し悪い思い出が。
意外に気遣いできんだ…。
何か変な気遣いさせたな…
青紫 (you)
ごめんなさい。変な気遣いさせて。
高尾 和成
うぅん。てか何中?
青紫 (you)
帝光中です。バスケが強いとこ。
私はバスケ興味ないから入らなかったけど、部長の虹村先輩とは仲が良かった。
高尾 和成
…帝光?
さっきまで笑顔だった顔が少し曇った。
青紫 (you)
知ってますか?
高尾 和成
…まぁ、知ってるも何も、俺そこと戦ってボロ負けしたんだよねー。
え……少し悪い気持ちになる。
青紫 (you)
…でもクラスにいましたよね。帝光中の方。
高尾 和成
うん。いた。緑間真太郎ってヤツ。アイツ一軍だよ。俺をボロにしたやつ。
また悪いこと言ったなぁ…!
青紫 (you)
それは…嫌でしょう…。
高尾 和成
うぅん。俺少し仲良くなったんだよね!
仲良く…?
高尾 和成
アイツ少し変わったヤツなんだけどさ!でもいつも部活終わっても練習して、なんか俺も頑張んなきゃーって!
青紫 (you)
…偉いですね。
高尾 和成
…偉い!?
青紫 (you)
はい。例え自分がボロボロにされてもその人受け入れて、仲良くするなんて。私ならもうやめてしまうかも。
高尾 和成
んー…ねぇ、スポーツやったことある?
青紫 (you)
…はい?

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