私は、青紫あなた。今は学校の外のベンチで読書中です。
秀徳高校に入学してから2週間。未だに友達はいません。てか、いらない。
まぁ、部活ももうそろそろみんな部活しているだろうな…。
私は図書委員だしいいんだけど。部活はいいや。
特に入りたいのないし。
………?何か足にぶつかった。
下を向くと。
バスケットボール?
私は本をパタンと閉めて、ボールを手に取った。
正面向くと、黒髪の男の子。
あれ?同じクラスの…?
私の名前なんで知ってんの?この人は。
そういえばいたな…明るい人。
早く立ち去りたい。この場から。
何か面倒になりそう。
は…?何言ってんだ。この人は。
会って急に男女で帰るとか!?
論外でしょう!?
はぁ!?
いや、心から嫌です。変な人だったら終わる。
いやいやいやいや。
何で!?家の方向とか違うといいんだけどな!
……同じか…!!
しかもあっからはほとんど一本道だし…!
ば、ばれた~!
んー…まぁ、もういいや。何かされたらブッ飛ばすのみ。
私はバックの中に本を入れ、歩きだす。
すると数秒遅れて私の隣に彼が並ぶ。
背が175もある。彼とは1センチくらいしか変わらない。
昔からこの背の高さがコンプレックスだった。
『スタイルがいい』
『羨ましい』
『背高すぎ…キモイよね~』
服とか、髪とか。そんなの変えれたけど、この背の高さはどうにもできない。
バッグを握る手を握りしめる。
意外に気遣いできんだ…。
何か変な気遣いさせたな…
私はバスケ興味ないから入らなかったけど、部長の虹村先輩とは仲が良かった。
さっきまで笑顔だった顔が少し曇った。
え……少し悪い気持ちになる。
また悪いこと言ったなぁ…!
仲良く…?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。