無一郎side
さて、ここからが本番だ
確かにカナヲには才能がある
胸が痛む
しのあに才能が無い訳じゃない
やりすぎって位努力している
胸が痛い
そこまで大切な人じゃないはずなのに……
大切じゃない?
なら何でこんな事しようとしてるんだ?
なんで?なにが僕を動かした?
僕はしのあをどう思ってるんだ?
そんな事を考えていたらしのあが口をひらいた
その時の言葉は僕の予想の斜め上をいった
こんなに感情的になる子だとは思っていなかった
冷静に何時も通りに静かな声で
「姉さんと私は違う人間だから」
みたいな事を言うと思っていた
一緒光が灯ったように見えた顔は
すぐに暗くなった
何だろう何が足りなかったのだろう?
あと一歩だった………
どうして僕はしのあの事ばかり考えているのだろう
ここに通い始めたのもしのあの影響だ
どうして?
僕は
しのあが
好きなのか?_________________
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!