しのあside
もう…………嫌だ…
私が見たのは
カナヲ姉さんと伊之助と善逸が
鬼化した炭次郎と戦っているところだった
攻撃をさばきながら必死で頭を回した
すると、いくつかの選択肢が思い浮かんだ
①炭次郎が人を殺す前に、終ノ型で殺す
②柱の人の指示を待つ
③何もしない
③何もしないは絶対嫌だ
かと言って②の柱の指示を待っている余裕はない…
①炭次郎を…殺す………
消去でそうなった……仲間を殺したくない………
考え事をしていたら、炭次郎の攻撃が当た
そこにカバーに入って来たカナヲ姉さんにまた
攻撃が当たった
私が考え事をしていたせいでッッッッッッッッ
過呼吸になり、今にも死んしまいそうな
姉さんの前に立って言った
カナヲ姉さんは花が散るかのごとく
静かに息を引き取った
姉さん達も、無一郎さんも
いない私には生きる価値がない
どうせ炭次郎を殺すなら、姉さんが死ぬ前に
殺しておけば良かった……
でも、そしたら残されたカナヲ姉さんが辛いか…
結局、私はどうしたら良かったのだろう
わからないまま私は言った
炭次郎の首を切り、倒れた
もう涙は出なかった
ただただ救いを求めて刃を振るった
もし、私が居なければ
もし、私が違う人だとしたら
もっといい案があったと思う
悔いしか残らなかった…………
嗚呼、神様……
どうして素敵な人ばかり連れて逝くの………?
どうして助けてくれないの………?
どうして不公平なの………?
どうして……どうして…
どうして、私はこんなにも、不幸なの…………
あ、そっか………………
最初から神様なんて、居ないんだ_______
私の事なんて気にも留めてないや
まあ、接点無かったしね
あーあ、後に残る人の事ももっと
考えられればよかったなぁ
本当に悔いしかないや
ごめんなさい
ごめんなさい
こんな私で……
ごめんなさい
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。