「 名前 が 無い ... ? 何故だ 」
軽く首を傾げ問いかけてみる .
本当 は 聞 いて は いけない の かも 知れない
だが . 気になるの だから しょうがない
『 ん ~ . 笑 わないでよ ? 』
「 笑う 事 じ ャ ね ェ だろ ? 」
『 ま ぁ ね 』
くすり と 青年 は 苦笑 してみせた
『 僕 さ . 名前 を 付けて 貰えなかったんだ 』
「 ..... は ? 普通 は 付けるだろ ? 」
大抵 の 親 は 生まれて から その日 位 には 名前 を
付けている
なのに 此奴 は 付けて貰っていない .
『 僕 . お父さん 居なくてさ . お母さんも 僕を産んで ... 』
突如 青年 の 頬 を 伝う 一粒 の 雫
自然 と 出た モノ なのだろうか
何 か を 思って . 感情 が 出てしまったんだろうな
何て . 正解 か 分からない が そう 思ってしまう .
『 あれ . 可笑しい ... な ... 何 ... でだろ ... 』
次々 と 溢れ 出てくる 雫 達 は 重なり .
小さな 粒 から 大きな 粒 へと 変わり . 頬 を 伝って
流れていく .
止まらない 雫 を 堪えよう と 青年 は 懸命 に 袖 で 拭う .
『 え .へへ 止まらないや... 』
悲しい はず なのに . 辛い はず なのに
青年 は 笑うこと を 辞めなかった
「 おい . 笑うな . 無理 すんじゃ ねぇよ 」
何時の間にか 勝手 に 出てきた 言葉 は 青年 の 涙 を 止めた
「 ... ほ . ほら . もう 泣 くな 」
頬 に 付いた 雫 を 自身 の 服 の 袖 で 拭ってみせた
他人 に こんな 事 を するのも アレ だが .
泣いている 奴 を ほっておく 事 も 出来ない
あ ァ . 俺 は 一体 この 青年 を どうすれ ば 良いんだ ... ?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。