私が聞いても、二人は呆然するばかり
はぁ、まだわかんないの?
どんどん言葉がでてくる
思ってないことまで、全部
最低だ、わたし
……何いってんの、炭治郎
それに……
ああ、もう遅い
こんなに自分の思いをぶちまけておいて
人間なんか、私のことを理解できるわけない
ほら、だって、炭治郎の顔……
怯えきってる
そーだよね
鬼なんて、人と仲良くできない
それに、私は無惨の右腕だ
っっ
何で、謝るの、?
その方が好都合でしょ
だって、
……そうだよ
私は鬼でありながら、人を食べたことはない
元々私も人だった
なのに人を食べるとか、無理にきまってる
でも、本当はちがう
私は、人と仲良くしたかった
人になりたかった
でも、そんなことをしたら、みんなに捨てられる
嫌われる
そう思ったら、怖くなった
だから私は仮面をかぶる
本当の自分をさらけ出すなんて……
ほんとに一部の人しか、してない
……なんで、
ふざけてる……
……炭治郎と、天元さんの横にいる嫁さんが
ビックリしてる
急にこんなことになったから
『 天元さんが好き 』
だけど、言えるわけない
あなたを、危険な目に合わせたくない
私は泣きながらこう答えた
そして、私は姿を消した
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。