……堕姫ねぇ、妓夫にぃ
……もう、なにさ、デレ期って
私、いまめちゃくちゃ怒ってるんだけど
泣いちゃうじゃん
怒りながら
堕姫ねぇと妓夫にぃは、同時に消えていった
「「 大好き 」」
この言葉を残して。
つらいっ……
私を、置いていかないで……!
その時にね、私を呼ぶ声が聞こえたの
私は思わず、振り返ってしまった
バッ
あ……
炭治郎も、天元さんも、驚いてる
そっか
私、鬼と話してたのか
あーあ
もういいや
そう思った瞬間、私の血鬼術が解けた
シューーーーー
体があつい
……なんか、今さら怒る気になれないな
やっぱり、もう帰ろっかな
そう思い、私は道を歩いて帰ろうとした
私が目にしたのは……
堕姫ねぇの着ていたものの、切れ端だった
それはもう、ぼろぼろで
必死に生きようとしたことを物語っていて
それを見たら、もう、耐えきれなかった
ぽろぽろ涙がこぼれる。
止めることもできないまま、
私のなかで沸々と沸き上がるこの思いを感じた
とても強い、怒り。
抑えようとも思わない。
「 私は鬼姫あなた。上弦の零よ。」
もう、仲良くは出来ないんだね
私は、鬼だから
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!