薄暗く、ジメジメとした部屋の隅に一人座る子供
白い髪に金色の瞳。
真っ白な肌はとても美しい
誰もが見たら見惚れるだろう。
けれど彼女はそんな経験はない、何故ならこの家に閉じ込められているからだ
空に浮かぶ雲はとても綺麗だ。
空を自由に飛ぶ鳥達は憧れの的だ
そんな事を考えているとカツン、カツンと音が鳴り響く。
あぁ...またか とでもいうような顔で扉をじっと見つめた
これはもう慣れた。また殴られるんだ
お母さんから目を離す
すると右頬に痛みが感じる
あ、殴られたんだ.....
そういって私を殴り蹴る
この痛みにも、誰も助けてくれないことはもう知ってる
どれだけ叫んでも、泣いても
お母さんはなんで私を産んだの?
小さい頃わたさに見せてくれた笑顔は嘘だったの?
こんなことを聞いても誰も答えてくれないんだ
何時間くらいか殴り続けていると飽きたのかここの部屋を出た
バッタン
身体中についた傷をさする
救急箱を取り出し、自分で応急処置はした
.....
私に生きてる価値ってあるのかな
窓をチラッとみると黒ずくめの男と、お父さんとお母さんが玄関にいた
何を話しているんだろう
しばらく話していると、お父さんとお母さんを車に入れ、黒ずくめの人が家の中に入り、そして何分か後に家を出た
そして私がみたのは...
ライターを家の中に放り込んだ所だ
そして3人は逃げようとした
この時初めて自覚した
あぁ...捨てられたんだな と....
次の瞬間、大爆発が起きた
私は爆発をもろに受け、そのまま意識を失った
誰.....だろ...
この大怪我じゃ...もう死ぬよ...
すると心に暖かい風が入り込んだような感覚に襲われた
あぁ...あったかい
そして私は死んだ
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チュンチュン
小鳥の囀りが聞こえた
...あれ、私死んだはずじゃ...
ムクリと体を起こすと知らない場所にいた
立ちあがろうとしたけど、よろけて倒れてしまった
その時、背中に違和感を覚えた
背中に手を当てるとフワッとした感触があった
そう、何故か私の背中に羽がついているのだ
....なんで..??
あと頭の上に金色の輪っかも浮かんでいる。
あれ...これは天使っていうものではないのだろうか
なんで.....
取り敢えず周りを歩くことにした
辺りを歩いていると、ある一軒家が見えた
こんな所に家が...家の周りを歩いていると、ズボッと底が抜けた
もう一度いう。そこが抜けた
え??
どうやって叫べばいいかわからないまま私は下に落ちて行った
そういうけど私は羽を持っているからゆっくりめに落ちて行った
地面に足がつくと胸を一なでりし、辺りを見渡した
一人迷っていると私に近づく影が一つあった
後ろを振り向くと、そこには..名前はわからないけど動物がいた
ていうか..喋ってる
普通ってなんですか..!?
私はダッシュでその人(?)から離れた
しばらく走っているとまた知らない所だ
鬼は空想の中の話だと思ってたけど
本当にいたとは
私はそのまま気を失ってしまった
動物は喋るし、鬼がいるし。初めてのことばかりで頭がいっぱいいっぱいだった
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目が覚めるとそこは..部屋かな
部屋の....フワフワした所で寝ていた
体を起こすと周りにはとにかく本がたくさん置いてあった
誰かの部屋なのかな...
私はとにかくこのフワフワとした感触の場所がどうも不自然で床にゴローンと寝転んだ
よく思い出せばここには鬼がいたから地獄というものなのかな...
って事は私がいたのは天国..?
考え事をしすぎて話からられている人に気づかなかった
びっくりした...
ていうか...この人誰
あ、この人の頭にも角ついてる
第一補佐官...ってことは偉いよね...多分
顎に手を当て悩む素振りを見せている
ここって本当に地獄なのかな...まだ夢だと思っている自分がいる
まぁ、あの時私は確実に死んだと思うけど
やっぱり......
鬼灯...さんがこちらをジーッと見つめた後、口を開いた
聞いたこともない。
私はどこにいたのかもわからなかったのだから
あれ...
あれれ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。