第3話

過去と未来
1,439
2021/11/03 08:17


薄暗く、ジメジメとした部屋の隅に一人座る子供




白い髪に金色の瞳。



真っ白な肌はとても美しい



誰もが見たら見惚れるだろう。





けれど彼女はそんな経験はない、何故ならこの家に閉じ込められているからだ
あなた
あなた
.......いいな..私も外行きたい..
空に浮かぶ雲はとても綺麗だ。



空を自由に飛ぶ鳥達は憧れの的だ




そんな事を考えているとカツン、カツンと音が鳴り響く。



あぁ...またか とでもいうような顔で扉をじっと見つめた



これはもう慣れた。また殴られるんだ
母親
母親
何こっちみてるのよ。こっちみないで気持ち悪い
あなた
あなた
ごめんなさい....
お母さんから目を離す




すると右頬に痛みが感じる



あ、殴られたんだ.....
母親
母親
あんたはいつも私を怒らすのが好きなのね..!!本当イラつく....
そういって私を殴り蹴る



この痛みにも、誰も助けてくれないことはもう知ってる


どれだけ叫んでも、泣いても





お母さんはなんで私を産んだの?



小さい頃わたさに見せてくれた笑顔は嘘だったの?




こんなことを聞いても誰も答えてくれないんだ






何時間くらいか殴り続けていると飽きたのかここの部屋を出た




バッタン
あなた
あなた
....痛い。
身体中についた傷をさする



救急箱を取り出し、自分で応急処置はした


.....




私に生きてる価値ってあるのかな
あなた
あなた
私に少しでも愛情をあけたなら...愛情なんて要らなかった....
窓をチラッとみると黒ずくめの男と、お父さんとお母さんが玄関にいた



何を話しているんだろう




しばらく話していると、お父さんとお母さんを車に入れ、黒ずくめの人が家の中に入り、そして何分か後に家を出た



そして私がみたのは...





ライターを家の中に放り込んだ所だ




そして3人は逃げようとした
あなた
あなた
お父さん...お母さん..?
この時初めて自覚した




あぁ...捨てられたんだな と....





次の瞬間、大爆発が起きた





私は爆発をもろに受け、そのまま意識を失った
天使
天使
あぁ..なんて可哀想でしょう。なんて残酷なんでしょう....
誰.....だろ...
天使
天使
私があなたを救ってあげます。
この大怪我じゃ...もう死ぬよ...
天使
天使
次は、幸せになってくださいね...
すると心に暖かい風が入り込んだような感覚に襲われた




あぁ...あったかい




そして私は死んだ




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チュンチュン



小鳥の囀りが聞こえた





...あれ、私死んだはずじゃ...




ムクリと体を起こすと知らない場所にいた
あなた
あなた
ここ...どこ
立ちあがろうとしたけど、よろけて倒れてしまった




その時、背中に違和感を覚えた




背中に手を当てるとフワッとした感触があった
あなた
あなた
これは....羽?
そう、何故か私の背中に羽がついているのだ



....なんで..??




あと頭の上に金色の輪っかも浮かんでいる。




あれ...これは天使っていうものではないのだろうか
あなた
あなた
え、私天使になったの...?
なんで.....




取り敢えず周りを歩くことにした




辺りを歩いていると、ある一軒家が見えた



こんな所に家が...家の周りを歩いていると、ズボッと底が抜けた




もう一度いう。そこが抜けた



え??
あなた
あなた
......
どうやって叫べばいいかわからないまま私は下に落ちて行った




そういうけど私は羽を持っているからゆっくりめに落ちて行った
あなた
あなた
....ここは..地獄かな...
地面に足がつくと胸を一なでりし、辺りを見渡した
あなた
あなた
どうしよう....
一人迷っていると私に近づく影が一つあった
??
あれ、おねーさんこんな所でなにしてるの??
あなた
あなた
ひっ..
後ろを振り向くと、そこには..名前はわからないけど動物がいた



ていうか..喋ってる
あなた
あなた
ど、動物が..喋ってる..!?
??
?ここでは普通だよ!!
普通ってなんですか..!?
あなた
あなた
あ..す、すいません!!
私はダッシュでその人(?)から離れた




しばらく走っているとまた知らない所だ
あなた
あなた
つかれた....
??
あ、ねぇーねぇーそこのお姉さん!!
あなた
あなた
!?
??
ここで何してるの?
あなた
あなた
つ、角..!?
??
え?まぁ、俺鬼だし
あなた
あなた
鬼!?
鬼は空想の中の話だと思ってたけど



本当にいたとは
あなた
あなた
....やばい..目眩が...
??
え、ちょお姉さん..!?
私はそのまま気を失ってしまった




動物は喋るし、鬼がいるし。初めてのことばかりで頭がいっぱいいっぱいだった





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____




目が覚めるとそこは..部屋かな




部屋の....フワフワした所で寝ていた




体を起こすと周りにはとにかく本がたくさん置いてあった



誰かの部屋なのかな...



私はとにかくこのフワフワとした感触の場所がどうも不自然で床にゴローンと寝転んだ
あなた
あなた
....私死んだはずじゃなかったけな...
よく思い出せばここには鬼がいたから地獄というものなのかな...



って事は私がいたのは天国..?
??
あの...あの..聞いてますか
あなた
あなた
ひゃい!?
考え事をしすぎて話からられている人に気づかなかった




びっくりした...
??
ていうか、なんで床で寝てるんですか。
あなた
あなた
なんか、慣れなくてですね
ていうか...この人誰




あ、この人の頭にも角ついてる
あなた
あなた
あの....どちら様でしょうか
??
あぁ...そういえば名乗っていませんでしたね
鬼灯
鬼灯
私は鬼灯と言います。閻魔庁の第一補佐官です
第一補佐官...ってことは偉いよね...多分
あなた
あなた
ご丁寧にありがとうございます...私は天野あなたです。
鬼灯
鬼灯
ここではあまり聞かない名前ですね....
顎に手を当て悩む素振りを見せている




ここって本当に地獄なのかな...まだ夢だと思っている自分がいる



まぁ、あの時私は確実に死んだと思うけど
あなた
あなた
あの...ここって本当に地獄なんですよね?
鬼灯
鬼灯
?えぇ、正真正銘ここは地獄ですよ
やっぱり......




鬼灯...さんがこちらをジーッと見つめた後、口を開いた
鬼灯
鬼灯
貴方...もしかして桃源郷から来た方ですか?
あなた
あなた
え?桃源郷??
聞いたこともない。




私はどこにいたのかもわからなかったのだから
あなた
あなた
質問を質問で返してしまうけど....桃源郷ってどこですか?
鬼灯
鬼灯
は?
あれ...



あれれ

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