コンコン
『…失礼します』
あくまでも他人行儀。
そうじゃないとどうしても傷つきそうだから。
手が震える。怖い。
必死に「演技」をして私は言ってみた。
『さっきはごめんなさい笑』
『…1つだけ質問していいですか?』
JUMP「…?」
『…本当に、覚えてない?私の事。』
薮「…ごめんなさい」
伊野尾「…わからないや」
山田「というか、お前見たことないし。」
あ、無理だ。もう無理。
やまの言葉に傷ついた。
弱いなぁ私…笑
『…そう、ですか』
『やっぱり私の勘違いだったみたいです。
じゃあ私は失礼します。』
ガチャン
どうしよう、苦しい…。
心臓当たりがぎゅーってなって、抑えてきたものが溢れでそう。
演技だったとしても。夢だとしても。
辛いものは辛い。
大事な人に忘れられるなんて、耐えられないよ…
『…っ、なん、でっ泣ハァハァ』
崩れるように泣いていたら何かのアラームが鳴った。
この音、聞いた事あるけどこんなだっけ?
そう思ってスマホを見ようとしたら、
涙で視界が歪んで真っ暗になった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!