無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第15話

わかり合えない心
不安そうな顔をする紅狼。

(出会ったばかりのときも、
同じことを聞いてきたな。
強いのに、こういうところは迷子の子供みたい)

私は笑みを向けると、その首に腕を回す。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
怖いわけないよ。
紅狼はどんなときだって、
私を助けてくれたんだから
一夜紅狼
一夜紅狼
……情けないな。
女に気を使わせるなんて。
どんな俺も受け入れてくれるまりあが、
どうしようもなく好きだ
宮野 まりあ
宮野 まりあ
うん、私も好きだよ
私たちは微笑み合って、
そっと唇を重ねる。

(どんな紅狼も受け入れるって、
言ったのに……)

乱暴にしないよう力加減をしてくれ
ているのがわかって、私はいっそう
紅狼を好きになるのだった。

***

コテージに移り住んで、数日。

怪我も治ってきた私は、
ずっと胸にあった気がかりを口にする。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
そろそろ、学校に行かないとね。
単位が心配
一夜紅狼
一夜紅狼
ああ、そうだな。
だが、学校にはハンターが
いるだろう
宮野 まりあ
宮野 まりあ
銀……のことだよね。
私、今回のことちゃんと
説明するから
一夜紅狼
一夜紅狼
話してわかる相手なら
いいがな
宮野 まりあ
宮野 まりあ
それは……
(難しいかもしれない。
銀はお母さんを殺した人外を恨んでるから)

すぐに『大丈夫』と答えられないでいると、
急に紅狼の耳がピンッと立った。
一夜紅狼
一夜紅狼
嗅ぎつけられたみたいだ。
外に複数、気配を感じる
宮野 まりあ
宮野 まりあ
まさか、オオカミ一族の
追っ手?
一夜紅狼
一夜紅狼
いいや、これは人間の
匂いだ
(人間って、まさか……)
一夜紅狼
一夜紅狼
まりあ、お前はここにいろ。
外を見てくる
宮野 まりあ
宮野 まりあ
ひとりで行くなんてダメだよ!
私も行く!
その手を強く握れば、紅狼は苦笑いする。
一夜紅狼
一夜紅狼
……なんとなくだが、
まりあならそう言う気がしていた。
なら、俺から離れるなよ
宮野 まりあ
宮野 まりあ
うん、わかった
緊張の面持ちで、
私たちはコテージの外に出る。

そこにいたのは──。
神上 銀
神上 銀
やっと見つけたぞ、まりあ
宮野 まりあ
宮野 まりあ
銀!
幼なじみでハンターの銀が、
数人のハンターたちとともに立っていた。
神上 銀
神上 銀
無事で、よかった
銀は悲痛な表情で、私を見る。
神上 銀
神上 銀
お前までいなくなったら、
俺は……っ
宮野 まりあ
宮野 まりあ
銀、心配かけてごめん。
なにも話せなくてごめんね
神上 銀
神上 銀
いい、ちゃんとわかってる
宮野 まりあ
宮野 まりあ
え?
神上 銀
神上 銀
お前がまりあを脅して、
自由を奪ってたんだろ
銀は射貫くような視線と、
銃口を紅狼に向けた。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
ま、待って!
やめて! 紅狼はむしろ、
私を助けてくれたのっ
神上 銀
神上 銀
目を覚ませ、まりあ。
そもそもお前が連れ去られた
のは、オオカミ一族のせいだろ
宮野 まりあ
宮野 まりあ
確かにそうだけど、それは
紅狼以外のオオカミ一族だよ
神上 銀
神上 銀
同じ一族なら、同罪だ
宮野 まりあ
宮野 まりあ
ひとくくりにしないで!
自分でも驚くくらい、大きな声が出た。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
人間と同じように、
オオカミ一族にもいいオオカミと
悪いオオカミがいるんだよ
神上 銀
神上 銀
なんで、人外の肩を持つんだ。
まさか、お前……
銀は紅狼と私の顔を見比べる。
神上 銀
神上 銀
その人外を好きになったのか?
信じられないといった様子で、
銀は私の答えを待っている。

(ごめんね、銀。
銀が人外を憎んでるのは知ってるけど、
この気持ちを偽ることはできないから……)
宮野 まりあ
宮野 まりあ
……うん。
私は紅狼が好き
神上 銀
神上 銀
……!
宮野 まりあ
宮野 まりあ
オオカミ一族のみんなのことも、
言葉を交わしたら、本当に仲間思いで
気さくで……大好きになった
神上 銀
神上 銀
まりあ、お前は騙されてるんだ
宮野 まりあ
宮野 まりあ
違う、私の意思で話してる
神上 銀
神上 銀
よくわかった
(よかった。わかってくれた)

私がほっと息をついたとき──。
神上 銀
神上 銀
もう話しても埒が明かないな。
俺がお前を奪い返す