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第6話

銃弾の行き先
全力で森の中を走っていたときだった。
オオカミ一族の少女
オオカミ一族の少女
ひとりになってくれて助かったよ
木の上にいたのか、
目の前にオオカミの耳がある
14歳くらいの少女が降り立つ。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
あ、あなたはオオカミ一族の……?
オオカミ一族の少女
オオカミ一族の少女
紅狼様はオオカミ一族を
背負うお方。あんたみたいな
人間に執着されると困るんだよ
宮野 まりあ
宮野 まりあ
それで、私を攫いにきたの?
オオカミ一族の少女
オオカミ一族の少女
頭領はそうしろって言うけど、
あたしはあんたを館には連れて
いかない
(館……そこに、オオカミ一族のみんなは
住んでるのかな?)
宮野 まりあ
宮野 まりあ
ねえ、それはどういう……
どういう意味?と尋ねようとして、
できなかった。

オオカミ一族の女の子が鋭い爪を
私に向かって振り下ろそうとしていた
からだ。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
いやっ
(裂かれる……!)

両腕を顔の前で交差して、ぎゅっと
目をつぶった、そのとき──。

──パーンッ!

銃声が鳴り響き、私は目を開ける。
オオカミ一族の少女
オオカミ一族の少女
くっ……
オオカミ一族の女の子は、
足を押さえてうずくまっていた。

(誰かがこの子を撃った!?)

頭が真っ白になっていると、
銀のお父さん──神父様がハンターたちを
引き連れて、ぞろぞろとやってくる。
神父様
神父様
まりあ、無事か!
宮野 まりあ
宮野 まりあ
神父様!
教会の孤児にとって父のような
存在である神父様の姿を見て、
ほっとする。
神父様
神父様
まりあ、無事でよかった。
こっちにおいで
私の無事を知って、神父様は表情を緩めた。

神父様に駆け寄ろうとしたとき、
背後でうめき声が聞こえる。
オオカミ一族の少女
オオカミ一族の少女
くっ……ここで始末して
おきたかったのに、邪魔が入ったな
神父様
神父様
黙るんだ、人外。
お前はここで狩っておいたほうが
よさそうだな
神父様が手で合図すると、ハンターたちの銃口が
オオカミ一族の少女に向けられる。

(このまま、見過ごしていいの?
きっと、神父様はこの子を殺してしまう)

恐怖で膝がガクガクと震える。
神父様
神父様
目を閉じていなさい、まりあ
宮野 まりあ
宮野 まりあ
でも……
(目を閉じたら、その先は?
この子を殺すんでしょう?)

人外だけど、まだ小さい女の子だ。

(紅狼だって人外だけど、
私を助けてくれた)
宮野 まりあ
宮野 まりあ
それなのに……
(私は人外だからって、
オオカミ一族の女の子を見捨てるの?)
宮野 まりあ
宮野 まりあ
そんなこと、できない
私は神父様に背を向けて、
オオカミ一族の女の子の横に
しゃがみ込む。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
傷、痛む? 大丈夫?
オオカミ一族の少女
オオカミ一族の少女
どうして……。
あんた、あたしに殺されかけた
んだよ?
宮野 まりあ
宮野 まりあ
でも、私はあなたと同じ
オオカミ一族の男の子に
助けられたから
オオカミ一族の少女
オオカミ一族の少女
……?
言っている意味がわからない、
と言いたげにオオカミ一族の
女の子は眉を寄せた。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
同じ一族の子が殺されたって
聞いたら、紅狼が悲しむから
オオカミ一族の少女
オオカミ一族の少女
あんた……
宮野 まりあ
宮野 まりあ
神父様、この子を殺さないで。
まだ子供だし、私は無事だった。
だから……
神父様
神父様
子供といえど人外は敵なんだよ、
まりあ。そこをどきなさい
神父様は強い口調でそう言うと、
銃を構える。

オオカミの女の子はため息をつき、
私の前に出た。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
危ないっ、前に出ちゃダメ!
オオカミ一族の少女
オオカミ一族の少女
うるさい!
あんたに守られるくらいなら、
死んだほうがマシ!
そう言って私を振り向いた
オオカミ一族の女の子は、
複雑な表情をしていた。

見つめ合っていると、
その隙を見逃さなかった
神父様が引き金を引く。
宮野 まりあ
宮野 まりあ
やめて!