海里side
さっきの言い回し…多分あなたに稼がせて金を搾り取るつもりだろう…
ジャニーさんやメンバーさんが、それを許すはずはない。
だが、あなたは?
今まで虐待されてきたあなたに、アイツらが愛情でも見せたら……
確実にあなたは釣られる。
そしたらあなたは自分から辞めると言いかねない。
業界でもあなたの才能を認め、どんどん仕事が決まっていると噂だ。
ファンも着々と増えている。
そんなあなたなら、ジャニーズじゃ無くても充分稼げるだろう。
それに、芸能界じゃ無くても…
俺は今まであなたに何が出来た?
何も出来ていない。
King&Princeのシェアハウスで見たあなたは
俺が見た事ないくらい幸せそうな笑顔だった。
初めて見た。あんなあなた。
俺は、あなたに幸せになって欲しい。
だから俺はあなたと、あなたが大事にしているKing&Princeさん。
どっちも守らなきゃいけない。
どうする?俺。
どうすれば、あなたの笑顔を…あなたの大事な人を守れる?
とにかく、手当り次第思いついたことをやろう。
あなたside
ふぅ〜……買い物終了!
流石にレジ袋2つ分は買いすぎた?
まぁ…明日の朝ご飯の分もあるしいっか。
「プルルルル」
ん?電話?でも、タクシーで出るのはな……
ってお兄ちゃん!?
え?あれからずっと連絡取って無かったのに…
なんで今?
タクシー運転手「お嬢ちゃん。出ないのかい?」
タクシー運転手「あ、おじちゃんのことは気にせんといて。」
タクシー運転手「あ〜…お嬢ちゃん?」
タクシー運転手「ごめんね。渋滞だぁ。」
タクシー運転手「多分あと30分はかかるんじゃないかな?」
お兄ちゃんに1人で行動しないようにとは言われたけど……
アイスが溶けちゃうかもしれんし、
ここからシェアハウスまであと10分も歩けば着くだろうし…
タクシー運転手「え!?だけど…ここから先は街灯もどんどん減るよ?」
タクシー運転手「お嬢ちゃん凄い荷物だろ?悪いことは言わない。やめときな。」
タクシー運転手「ちょ!お嬢ちゃん!」
タクシー運転手「……………はぁ…」
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。