外を見ると暗い夜空に星空と月があった
先生が私に布団をかけてくれる
私は久しぶりにすぐ寝てしまった
朝日が眩しくて私は起きた
身体を起こしいつものように朝の用意を済ませる
初気の元気の良い声が聞こえる
声の方を見ると薄い機械から光のような物に包まれている初音の姿とその機械を持っている先生の姿があった
私は初気から目が離せなかった
私の声と似ているけれど違う惹かれる声
光に包まれた神々しい姿
にこりと笑うと誰もが微笑まずにはいられない笑顔
全てが素敵だった
作曲という言葉に私は首を傾げた
音楽を作れるという言葉に私は笑みをこぼさずにはいられなかった
初気と先生がこちらを向く
私は心から溢れる感情を飲み込んでからこう言う
先生は私の言葉を確認してから初気をベッドの上へ置きもう一つ同じような機械を出した
そういうと先生は一度外を出て行った
私は瞳を閉じようとする
初気の声を聞いて私は瞳を開ける
初気は顔を覗かせて目を合わせてくる
朱色というのだろうか彼岸花のようなその瞳の色はとても美しく吸い込まれそうな雰囲気をしている
すると初気はパチリと瞬きをして私の手の上を自分の手を乗せた
私は嬉しかった
誰かと一緒に作るというのが苦手な私だったが初気がサポートしてくれたおかげでやっと1曲を作り終えた
窓を見ると外は夕日が沈んでおり紺色の空が広がっていた
先生が初気と私を交互に見る
私達は目を合わせて頷いた
メトロノームの音を起動させリズム良く作曲した曲を流す
初気が歌を歌う
私が曲を流す
初気が思ったこと
私が感じたこと
100/1にも満たないけど
これで思いを伝えられたよね
思いを伝える
先生は驚きも引かずもせず
こう言った
曲名、名前の通り曲の名前だろう
私は初気の方を見た
初気がにこりと笑う
私もつられてにこりと笑う
嗚呼これが幸せっていうことなんだろうなと私は感じた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。