第3話

初気
70
2021/03/02 13:43
外を見ると暗い夜空に星空と月があった
先生
もうこんな時間だ、もうおやすみ。
先生が私に布団をかけてくれる

私は久しぶりにすぐ寝てしまった


朝日が眩しくて私は起きた

身体を起こしいつものように朝の用意を済ませる
天野 初気
ねぇ、ちょっとちょっと
初気の元気の良い声が聞こえる

声の方を見ると薄い機械から光のような物に包まれている初音の姿とその機械を持っている先生の姿があった
先生
おはよう、調子はどうだい?
少女
おはようございます先生、体調は大丈夫ですよ…。
私は初気から目が離せなかった

私の声と似ているけれど違う惹かれる声

光に包まれた神々しい姿

にこりと笑うと誰もが微笑まずにはいられない笑顔

全てが素敵だった
先生
君と初気君の意見次第だが、もし良ければ作曲してみないか?
君のお父さんのように。
作曲という言葉に私は首を傾げた
先生
作曲というのは音楽を作れることだよ。
その君が作った音楽を、初気君が歌ってみないか?
音楽を作れるという言葉に私は笑みをこぼさずにはいられなかった
天野 初気
私はいいよ、君はいいのかい?
初気と先生がこちらを向く

私は心から溢れる感情を飲み込んでからこう言う
少女
私も作りたい!初気と一緒に作りたい!
先生は私の言葉を確認してから初気をベッドの上へ置きもう一つ同じような機械を出した
先生
この機械を使って曲を作ってごらん。
好きなように作ったらいいからね。
そういうと先生は一度外を出て行った

私は瞳を閉じようとする
天野 初気
ねぇ君、どうやって目を瞑って作曲するのさ。
初気の声を聞いて私は瞳を開ける
少女
…分からない、けどこうすればいつの間か作れるのだもの。
私はこれしか出来ないの。
初気は顔を覗かせて目を合わせてくる

朱色というのだろうか彼岸花のようなその瞳の色はとても美しく吸い込まれそうな雰囲気をしている

すると初気はパチリと瞬きをして私の手の上を自分の手を乗せた
天野 初気
ならさ、一緒に作ろうよ。
私も手伝うし、詰まった時は私が助けてあげる。
私は嬉しかった

誰かと一緒に作るというのが苦手な私だったが初気がサポートしてくれたおかげでやっと1曲を作り終えた

窓を見ると外は夕日が沈んでおり紺色の空が広がっていた
先生
あ、作り終わったかな、流せる?
先生が初気と私を交互に見る

私達は目を合わせて頷いた

メトロノームの音を起動させリズム良く作曲した曲を流す
天野 初気
明日の夜 今日の夜
何もかもが変わっていて
私とアナタとの会話も
少しは続いたのかな
私達はまたて手を結んで
離れないように
離れないように
今日かもしれないんだ
私が終わるのがさ
「明日にしてあげる」
って君がいうからさ
信じて待って待って
それでも君は来なくてさ
「君が先に居なくなったら意味ないじゃんか」
〜〜〜♪
初気が歌を歌う

私が曲を流す

初気が思ったこと

私が感じたこと

100/1にも満たないけど

これで思いを伝えられたよね
少女
先生、私。
思いを伝える
少女
これをみんなに聞いてもらいたい。
先生は驚きも引かずもせず

こう言った
先生
なら、曲名を教えて?
曲名、名前の通り曲の名前だろう

私は初気の方を見た
天野 初気
なら先生この曲名は「一等星」でおねがいします。
初気がにこりと笑う

私もつられてにこりと笑う

嗚呼これが幸せっていうことなんだろうなと私は感じた

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