チャイムとなったと同時にうるさい騒音たち。
席を立ち、仲いい子達の所に行ったりとかして騒ぎっぱなし。
この空間がすごく嫌になる。
「放課後なにしよ?」なんて言ってる声。
私にはそんな声は来ない。
まず私に話しかける人が少ないと言っても過言じゃない。
いじめ?そんなことはされていない。
悪口も言われないし、何もされない
ただただ平和なクラスって感じ。
だから誰にもバレないように潜めるのかもしれないね、
ピロンっ となる私の携帯の通知音。
相手は私の仕事先のママから。
《今日は特別指名が入ってるから早めにおいで?》
そのメールに 「分かりました」とだけ打って携帯をしまう。
放課後になれば、一目散に仕事先へ行く。
二つ結びとメガネをとり、少し薄かった化粧を落とし
大人びたメイクへ変貌させてキラキラのドレスを着れば
大人の世界への出発点に着ける。
私の仕事、?
それはね、 キャバクラ という仕事
私のママは私が高校生と知ってて雇ってくれてる。
夜8時になればお店が開店。
『や~! あなたちゃん!お久しぶりだね!』
「お久しぶりすぎますよ、、寂しかったんですから、、」
そう思ってもないことを言っても喜んでくれる人だっている。
この世界の仕事に私はどっぷり浸かってしまったんだ、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。