戦場にいるとは思えないほど、行動を起こさない俺たちは、壊れた建造物に身を隠しながら遠くの一緒の方を見ている
俺たちの軍の少数が戦っているだけで、切羽詰まった雰囲気も皆無だった
もっと気を配ると、暴走を起こしているのは幸い一人、
と言うかさっきからコネシマは、ネジが緩んだような肯定しかしてこない。
暴走者の攻撃で沢山の人が空中へ飛ばされている。その様子を見てけたけたを笑っているコネシマを見て、俺は引き気味で苦笑いを返す。
俺がそう言うと、スッと笑いを止めコネシマは後ろで指示を待っていたであろう部下たちに、
その声で地面を蹴る音が響く。俺も暴走が起こっているところへいつものシャベルを下げて走った。
遠くでは聞こえなかった爆発音と、野太い悲鳴。すると一人、俺の元へアイル国の兵だろう、男が血を流して縋ってきた。
武器も持たず、敵である俺に助けを求めると言うことは、服従でもある。
有能を暴走させる薬⁉︎
…………まぁ、とりあえず置いといて、そのせいで自国のやつが暴走を起こして大問題、か
俺が声をかけたとき、交戦していたが、さっさと切り捨てて、俺の元へやってきた。
俺は指を刺す、その先には容赦なく味方に手をかける暴走者の姿、見た限り触れたものを爆破させる能力、俺とコネシマだと武が悪い。ショッピを呼びたいが、西側の指揮をしているため、なんとも言えない。
自分で抑えたかったのか、どこか不服なコネシマ、だが、「ちょっと」は2人で止めるのなら、及第点や、だって暴走を止めるのがどれだけリスクが高いか、俺たちが一番知ってる。
【コネシマ目線】
いきなり飛び出し、まるで煽っている様にこちらに笑った顔を見せて走っていく。
俺も思いっきり地面を蹴り、道中で接触する敵を殴り、切り倒して進んでいく。
そして目の前に広がる光景は、ピンポイントで頭を爆発させている暴走者。周りには首から上がない死体達、俺もちゃんとしないと、一瞬で同じようにされてしまうだろう。
武器はあまり得意ではない拳銃。だが、能力で動体視力を上げて狙いを定めれば………
見事に左目に直撃した銃弾は血を飛ばした。
喜ぶ隙もなく、間髪入れずに銃弾を打ち込む。
右肩、左足、横腹、疎らだが全弾命中し、敵の意識が俺へと変わると、バッと能力を込めた右手を前へだし、俺目掛け飛んできた。
その間は一瞬、動体視力をあげた俺がギリギリ捉えることのできる速度、1歩下がっても間に合わない。
目を掠めた次の瞬間、シャオロンがギリギリのところで間に入り、能力のこもった手を真正面から掴み、歯を深く噛み締めた。
そしてとてつもない爆音と爆風。俺達はふきとばされ、地面に叩きつけられた。
直ぐに体を起こし、見る。そこには肉片になった暴走者と、俺たちと同じように吹っ飛ばされた両国の兵士がいた
分かってやったとはいえ、暴走者、すなわち、能力の自我そのものを反転させるのは、体力を全部か、それ以上使わなければならないほどにヤバい。無事に抑えられたが、あれを止めたシャオロンは息が絶え絶えだった。
敵国の兵士もまだおるし、まだ戦いは終わらない。シャオロンのポケットからナイフを二本取り出して装備する。
俺の声で徐々に、吹き飛ばされ、倒れていた兵士達が起き上がる。そしてまた戦いに走っていく。
俺はシャオロンの身を安全な場所に置くために、抱え込み、前線から離脱した。
続く
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!