高校三年生になった。
現実は、就活は戦争で……
清良に逢える時間がなくなっていった。
学校では就職適性試験。
家では履歴書書いたり、事務系の今までの復習。
会社を調べて、志望動機とか面接トレーニング…
めまぐるしい日々に気づけば俺へのイジメはなくなっていた。
「君がこの会社を選んだ理由は??」
「はい。私はIT関係がやりたいからです。」
「他でも出来るけど??」
「はい。私は御社のーーーな所に惹かれました。」
「御社は第何希望??」
「はい。第1希望です。」
「そうですか。以上で面接終わります。」
「本日はありがとうございました!」
何度落ちまくってからの面接。
この調子じゃ、今回も……
「おーい、菅谷!!!」
俺は担任に呼び止められた。
「はい??」
「お前…この前の会社から……」
あぁ……もうダメか……
「人柄も成績もいい!是非来て欲しい!って連絡来たぞ!」
え?
「本当ですか!?」
「あぁ、さっき電話が来た!!!」
「採用予定通知は、今日送ったそうだから確認するように。」
「因みにだが……その会社に行くか??」
「もちろんです!!!」
「そうかそうか!!!」
俺は清良にプレゼント出来る話が出来たのが嬉しかった。
やったよ!清良!!!
採用通知来たら、清良に見せよう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!