テヒョンside
俺は小さな病気の種が見つかって入院することになった
でも、言った通り小さな種だった
だから普通に元気だった
けどダンスを踊れないのはやっぱつまんなくて
入院生活にうんざりし始めた頃
いつも通り23:00に寝ようと目を瞑った
すると、急に身体がふわふわして
宙に浮いているような感覚に陥った
そして目を開けると
俺はベッドの横に立っていた
無意識にベッドを見ると
俺が寝ていた
幽体離脱?とか思ったんだけど
どうやら俺の意識だけが外に出てきて
仮の身体で動き回れるらしい
公園でダンスが踊りたい………
そう思った瞬間
俺は公園にいた
それからは毎日23:00になると公園に意識だけ飛ばし、踊っていた
俺はずっと広場の端で踊ってた
でもその日は気分転換みたいな感じで
いつもとは違う場所で踊っていた
すると視線を感じて、、
それを辿ると同い歳くらいの女子がいた
そう、それがあなた
実は俺……
何年か前、あなたが踊っているところを見たことがあって
そのときに一目惚れ、したんだ
あなたに
だからめちゃくちゃびっくりしたけど
それ以上に嬉しくて
半ば無意識に声をかけてた────
ギュッ
ガラガラッ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!