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第1話

Prologue
3,543
2020/09/16 16:39
暗い部屋、暗い空


私はため息を漏らした。


ここは韓国にある孤児院。外が晴れていても中はいつも薄暗い。だからなのか、ここにいる子供たちはみんな暗い顔をしている。私もそうなのかもしれない。


私は物心がついたときにはもうここにいた。今は13歳。まだ19歳まで6年。19歳になったらここを出られる。みんな、その時を待ち望んでいる。けど、、、ここを出たらもっと厳しい生活が待っている、。そんなのみんな知っているけど、自由に生きたいんだってみんな言っている。私も、そう。


たまに、11歳になったら手紙を受け取ってここを去る人がいる。私にはこなかった。



今日、誰かが子供を一人引き取りに来る。周りのみんなが噂をしていた。
私じゃないのはわかっている。目つきは悪いし愛想もない。そしてこの歳だ。大体の人は「外見なんて気にしない」だとか「年齢なんて関係ない」とか言っているけど、そんなの口だけだって知ってる。
今日来る人は、多分最年少の子のイェソのあたりを引き取るんだろうな。可愛いし、愛想もいいから。




そして、その人が来た。院長が説明している。おそらく夫婦。

数時間後、その夫婦は案の定、イェソと手を繋ぎながら孤児院から出て行った。





今日はいつも以上に外が暗い気がした。

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