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第9話

第9話 ほたるの夢2
ほたる
ほたる
あれ?山田さんじゃん!
ナイン
ナイン
なんでこんなところに?
図書館からの帰り道、休憩をしようとカフェを探していたら、ほたるらダンス部員のメンバーと遭遇した。
ほたる
ほたる
わたし達、これからダンスコンテストなんだ
シキミ
シキミ
そうそう。俺ら第一次のビデオ審査を突破して、第二次審査を受けにいくんだぜ
レイジ
レイジ
また山田さんと会うなんて、びっくりだよね!偶然じゃなくって、本当は僕らのあとついてきてたりして〜
コタロー
コタロー
やめなさい、レイジ。そんなはずないでしょう。山田さんに失礼ですよ
長時間、静かな空間で調べ物をしていたせいか、いきなり若者にキンキン声で話しかけられると頭がガンガンする。ナインは額に手をやった。未来でも、髪をかきあげ物憂げな表情をしている見目麗しい青年を遠巻きに眺める女性はたくさんいたが、2019年でも例外ではない。人通りの多い駅前で、ナインに見とれた女性達が小さな悲鳴を上げるという現象が発生した。
レイジ
レイジ
はは、無自覚女性キラーだね
ほたる
ほたる
そうだ!山田さんもダンスコンテスト見ていきなよ。関東圏のダンサー達が集まってくるんだよ
シキミ
シキミ
今日の出演メンバーは第一次審査を突破した猛者ばっかりだからな。武者震いがするぜ
コタロー
コタロー
さっきから、審査審査って。よっぽど二次に進めたのが嬉しかったんですね
ナイン
ナイン
いや、俺、仕事があるから……
昨日のような、鳥肌が立つほどのダンス。見てみたい気がしなくもない。ただ、これ以上、この時代の住人と関わるのも良くない。
ほたる
ほたる
いいじゃん!山田さん、仕事ばっかりしていたらそのうちハゲるよ。たまにはわたし達と青春しようよ
ナイン
ナイン
青春……
ナインにとっては無縁の言葉だ。幼い頃からずっと勉強ばかりしてきた。エリート集団の中で育ったおかげで、「勉強をサボろう」なんて言葉をかけてくる不届き者もいなかった。それなりに恋もしたが、いつも形だけのつきあい。「あなたはわたしを見てくれない」。そう言って、女性達は去っていった。

学校を卒業して、仕事をするようになってからも同じだった。毎日、タイムトラベル先の過去の時代について勉強し、任務中は過去の時代の人達と関わることもしない。たまの休日も家で古い映画を観ているだけだ。

誰かと遊んだのはいつが最後だろう?
ほたる
ほたる
よし、行こう!
返事も待たずに、ほたるはナインの腕をつかむ。彼女の手の感触で、ふいに昨晩の出来事を思い出す。
ナイン
ナイン
(君はなんで大人をからかうようなことをしたんだ……。君に憧れる男子なら、他にたくさんいるだろうに)
ナイン
ナイン
(ああ、俺も人のこと言えないな。さっき神社で願ったのは、自分のことじゃなく、君のことなんだから)
頰が熱いのは夕日のせいだろうか。

沈みかける夕日の眩しさに、ナインは目を細めた。

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平七羽
平七羽
こんにちは!平七羽(たいらいろは)です。ファンタジーとイケメンをこよなく愛しています。疲れちゃう毎日ですが、少しでも楽しくなるように。そんな小説を書いていきたいと思います╰(*´︶`*)╯💠twitter→@taira_iroha💎(アイコンは「宝ひかるは石の国」表紙でおなじみのkaoliniteさん@okayuatsuiから🎶)
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