zm side
さらりと靡く黒髪。
赤いマフラーを首に巻いて。
それはそれは百戦錬磨の雰囲気を醸し出す、
我らが書記長。
彼は、Androidである。
黒髪もよく見れば人工的だし、
あの情熱的なガーネットも、
感情で揺れる、なんてことはない。
人工的に作られた、瞳。
前に一度、その瞳を"綺麗やね"って
褒めたことがある。
その時は"ありがとう"とだけ返されたけど
きっと、複雑だったんだろうか。
人為的に生成されたガラス玉に、
人工的に作成された、人格、体格 etc...
彼は、どんな風に捉えたのだろうか。
でも、案外Androidはいるものだ。
屋敷には家事Androidがいるのがほとんど。
護衛Androidなんて、街でも必ず見かける。
それくらい、受け入れられている。
それでもなお、差別が、偏見が、
減ることは無い。
それから、気になることは全て質問攻め。
やれ何が好きだ、やれ何色が好みだ。
一から千まで、分からない事があるたびに聞いた。
本人は終始戸惑っていたけれども。
"分からないから聞く"のだ。
"知らないから教えを乞う"のだ。
そんなことも、彼は理解ができないらしい。
いや、納得出来ないらしい。
彼が言うには"あまりにも非効率"だそうで。
分からないなら学べばいい。
知らないなら探せばいい。
そう彼が言う、そのたびに。
思いっきり、罵ってやるのさ。
それは甘ったれた、"人間の思考"だとな。
思いっきり、押し付けてやるのさ。
そうでもしないと、彼は変わらない。
そうでもしないと。
彼も我々の仲間だと言うことを痛感しない。
だから、今日も聞くのだ。
だから、今日も笑い飛ばす。
彼が、もう二度と跪かぬように。





![[参加型?]空の上で最後の遺言を、](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/fLidrLhRSUUik4ZkTr7M83BhU0V2/cover/01KCTXMWS5RZ2WT40YN9XJ0C3Y_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。