三輪「何の得もない....」

三輪「損か特かなど関係ない！！！！近界民は全て敵だ！！！」




秀次は拳をぐっと握りしめ、憎しみ溢れる声でそう叫んだ。





初対面の遊真にも、その憎しみがどれほどのものなのか分かるくらいに。










『しゅーじ....』







三輪「そもそも、お前も....！！あなたも！！近界民を恨んでるはずだろ！！」






三輪「兄さんを"近界民に殺された"と自分の口からそう言っていただろう！？」






『私....のお兄...ちゃん..？』





『(分からない...思い..出せない...)』





三輪「なのに、玉狛と近界民の肩を持つのか！！？？庇うのか！？？」




『ご、ごめん...しゅーじ...わ、私...』




あなたは不安を浮かべ、困惑し、状況を理解出来てない。





迅「秀次、いい加減にしろ。お前も、あなたの身に何が起きたのかくらい知ってるだろ。」



三輪「ッ....」



三輪は唇を強く噛み締め、

三輪「ベイルアウト！！！！！」

そう叫び、その場から姿を消した。

空閑「お、飛んだ..」

迅「緊急脱出（ベイルアウト）だ」

空閑「え？」

迅「ボーダーの正隊員のトリガーはベイルアウト、つまり、自信で緊急脱出するか、トリオン体が破壊されると、自動的に基地に送還されるようになっている。」

空閑「負けても逃げられる仕組みか...便利だな。」

ふむ、と遊真がボーダーの基地の方を眺めた。

『.....』

米屋「あー負けた負けた〜しかも手加減されてたとか、」

さぁ、好きにしろよ。俺らはお前のことを殺そうとしてたんだからさ、と遊真に言ったが、

空閑「別にいいよ、あんたじゃ多分俺は殺せないし。」

と、ストレートな冷たい言葉に米屋の心はショックを受けた

米屋「じゃあ、今度は仕事関係なしに勝負しようぜ！刺しで！」

と、ホームから線路上に降りてきた米屋が笑顔で言った

空閑「ふむ、あんたは近界民のこと嫌いじゃないのか？」

その問いに、米屋は俺は近界民の被害を受けてないから、恨むことなんてないと。







ただ、秀次は姉を近界民に殺されてること、スナイパーの2人も近界民に被害に合ってるからそこそこ恨んでるだろうと、教えてくれた。

空閑「なるほどね...」








そして、米屋はくるりとあなたの方を向いた

米屋「それとあなた、秀次はああ言ってたけど、本当はお前のことすげー心配してんだよ。俺はお前に何があったかは知らねーけど...」

米屋「お前は秀次と"同期"だろ？境遇も似てるし、色々自分と重ねてんだよ。」

『え、あ、うん...！！ありがとう！よねやくん！』

あなたは少し顔を曇らせつつも笑顔で答えた。

『あ、それと...しゅーじにはごめんねって伝えといて...ほしいです...』

『私、しゅーじのことも大好きだけど、玉狛のみんなも大好きだから....！！』

米屋「おう！あ、あと、今度会う時に戦おうってチビ近界民に言ったやつ、お前も例外じゃないからなー！」







『....！！！もぎせん！！！ふふっ、楽しみです！今度絶対やりましょうねー！！！』





と、模擬戦のお約束をすれば、あなたの笑顔はいつも通りになり、

陽介は手を振りながら三輪隊とこの場を離れていった。

迅「さぁてと、三輪隊だけじゃ報告が偏るからなぁ...俺も基地に行かないと。」

迅「あなたのトリガーと昇級手続きのこともあるし...まぁ、あなたは着いてくるとして、、」

迅「メガネくんはどうする？いずれ呼び出しはかかると思うけど...」

三雲「じゃ、じゃあ！僕も行きます！」

修は千佳と遊真に2人で待っているようにと伝えた。

迅「よし！それじゃあ行くか！メガネくん！あなた！」

『はーい！じんさん！』





三雲「はい！」

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【余談】



あなたちゃんと秀次は同じ時期に入隊した同期です。






あなたちゃんは元々本部所属でしたが、記憶を失ったと同時に玉狛に転属しています。